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ジョイントコラム「井出留美さんと”もったいない”を考える」【第2回】ダマされないぞ!食品とiDeCoに関する身近な「ウソ」

(写真=nfmlk/Shutterstock.com)

食品ロスとiDeCo(個人型確定拠出年金)。一見関連がなさそうな両者だが、じつは「もったいない」をキーワードとする意外な共通点があるようだ。本コラムでは、食品ロス問題の専門家・井出留美さんとともに、食品ロスとiDeCo双方の「もったいない」について考えてみたい。

井出(iDe)さんの視点

賞味期限にひそむ「ウソ」とは?

冷蔵庫の卵、賞味期限が過ぎたら捨てますか?食べますか? 市販の卵の賞味期限は「2週間」とされています。でも、気温が10度以下で保管されていれば、産卵から57日間も生で食べられることを、皆さんはご存じでしょうか。

卵パックの表示には、「賞味期限が過ぎたら加熱調理して早めに食べましょう」とあります。つまり、ゆで卵や目玉焼きにすれば、賞味期限がちょっと過ぎていても食べられるということです。前述の「2週間」とは、「生で食べられる期間」なのです。

日本卵業協会によれば、業務用の卵は、夏は16日間、冬は58日間など、季節によって賞味期限を変えています。温度管理がきちんとできているからという理由だそうです。

卵の例のように、「賞味期限」は、実際に食べられる期間より短めに設定されることがほとんどです。過去には、実際の期間の30%に減らしていた菓子メーカーがありました。実際の賞味期間に「0.3」を掛けていたことになります。それはあまりにも短過ぎるということで、国(消費者庁)は、0.8以上を推奨しています。この数字を「安全係数」と呼びます。

安全係数は義務ではありません。でも、多くの企業がリスク回避のため、短めに設定しています。たとえば、10ヶ月の賞味期間の食品があったとすると、0.8を掛けて賞味期間は8ヶ月となります。私が調査した会社では、3分の2(安全係数0.66)を掛けていました。ある冷凍食品の会社では、0.7を使っています。生菓子など5日以内の日持ちの食品には、賞味期限ではなく「消費期限」表示がつけられます。関係者に聞いたところ、消費期限は実際の日持ちの半分くらいに期限を設定するとのことでした。「安全係数」でいえば「0.5」を掛けることになります。

賞味期限を短めに設定する理由

このような事情を耳にすると、「だったら最初から賞味期限を長めに設定しとけばいいじゃないか」と言いたくなるかもしれません。でも、製造業者が作った食品が全国に出荷された後は、どんなふうに温度管理がされるかわかりません。どのような条件下に置かれるかはバラバラです。卸、物流センター、小売店舗などに運ばれ、消費者に購入され・・・という全ての工程で、果たしてきっちり温度管理がされるでしょうか。

あるコンビニエンスストアでは、店員が一人しかいませんでした。アイスクリームの品出しをするためケースごと常温に置かれていました。店員が冷凍庫に入れようとすると、レジにお客さんが来たため、アイスクリームはしばらくの間、常温に放置されていました。ある小売店では、商店街の道の目立つ場所に、特売品のスナック菓子を炎天下に長時間置いていました。あるお客さんは、冷凍食品をスーパーで購入したあと、自転車のかごに入れて走っていました。途中で知り合いとバッタリ会い、カゴに食品を入れたまま30分以上、立ち話してしまいました。このようなリスクも考慮に入れた上で、製造業者は「安全係数」を掛け、実際の賞味期間より短い日数に設定することが多いのです。

逆に、上記のようなリスクが一切発生しない場合もあります。消費者庁が発信している通り「消費者は、五感を使って自分で判断する必要がある」のです。

iDeCo(イデコ)の視点

iDeCoに関する常識の「ウソ」とは?

賞味期限と同じような常識の「ウソ」が、じつはiDeCoにも潜んでいます。

iDeCoの正式名称は、「個人型確定拠出年金」と言います。この制度は、確定拠出年金法(平成13年法律第88号)という法律に基づいていますが、その法律の第一条(目的)では、「個人が自己の責任において運用の指図を行い・・・」あるいは「国民の高齢期における所得の確保にかかる自主的な努力を支援・・・」といった記載が散見されます。

このことから、iDeCoは「資産運用」あるいは「高齢期におけ所得の確保=老後の資金」というキーワードとともに語られることが常識と化しているのが現状です。

しかし、この常識は果たして正しいと言えるのでしょうか? 確かに間違ってはいませんが、一方で、こうした常識とは違う捉え方もできるのがiDeCoの奥深さなのです。

「資産運用」は義務ではない!

まず、iDeCoでは資産運用を「必ず」行わなければいけないのでしょうか?

答えは「No」です。確かに、投資信託を選んでリスクを取った資産運用をすることはできますが、これは必須ではありません。どこの金融機関でiDeCoに加入しても、運用商品ラインナップには必ず「元本確保型商品」という選択肢が準備されており、定期預金や保険商品を選んで「積立」という形で資産形成することもできます。

しかしながら、金融機関やファイナンシャル・プランナー(FP)の多くは、「資産運用するのが常識」「預金として積み立てるのは非常識」と主張しているのが現状です。
ここで断言しておきます。iDeCoでは、資産運用は義務ではありません。普段から使い慣れている「預金」という形からスタートしてみるのは、まったくもって「あり」なのです。

「将来の安心」と「今うれしい」は両立する!

また、「iDeCo=老後の資産」という常識も非常に根強いです。そのため、現役世代にiDeCoへの加入をすすめても「遠い将来のことだから今は関係ない」と敬遠されがちです。
確かに、iDeCoは原則60歳まで引き出すことができないので、老後のための資産であると言えます。しかし、それがすべてでしょうか? iDeCoに加入するメリットが得られるのは、老後だけなのでしょうか?

それは違います。iDeCoで積み立てる掛金は全額所得控除の対象となりますが、この所得控除のメリットは、「いま」享受できるのです。会社員の方で、年末調整により12月の収入が増えて喜んだ経験はありませんか? iDeCoも同じで、年末調整をされている方であれば、12月に還付金という形で税制メリットを享受することができます。しかも年末調整は「毎年」行うこととなるため、iDeCoで積立をしたことによる還付金も「毎年」戻ってくるのです。

積立をしながら「将来の安心」と「今うれしい」をいっぺんに叶える制度、それがiDeCoなのです。

以上、「資産運用」や「老後資金」といったiDeCoの常識のウソに惑わされることなく、自分自身のスタイルでiDeCoを利用することが何より大切です。

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執筆: 確定拠出年金スタートクラブ編集部
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