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【特別対談】井出留美氏✕井戸美枝氏 食品ロスから広がる、お金のこと、iDeCo(イデコ)のこと

食品ロスの専門家である井出留美氏(株式会社office 3.11代表取締役)。消費生活アドバイザーであり、女子栄養大学・石巻専修大学にて非常勤講師を務めている。

CFP®・社会保険労務士・キャリアカウンセラーであり、経済エッセイストとしても著名な井戸美枝氏(井戸美枝事務所代表)。複雑なお金の動きをわかりやすく伝えることに定評がある。

今回は、確定拠出年金スタートクラブの特別対談企画として、それぞれの分野で「情報の非対称性」に挑む2名の専門家にお話しを伺った。

異なる分野で「情報の非対称性」に挑む2人

井戸氏:井出さんのご著書『賞味期限のウソ』を拝読させていただいて、共感する部分がすごくありました。特に、最後まで食べ切るとか、食べ物を大切にするというところとか。

井出氏:ありがとうございます。

井戸氏:食べ物を買って、それを食べて生きていくのは、人にとっては生活の基本です。「人生100年時代」とよくいわれますが、実は、平均寿命と平均余命の差が男性には約9年、女性には約13年、つまり健康ではない期間があります。これは、日々どのように自分の身体にお金を使ってきたのか、それまでの食習慣が人生の最後に特に影響してくるのではないかと思うんですね。

お金との付き合い方も、すべて使い方の習慣だと思っています。井出さんのご著書には近いものを感じたというか、すごく感銘を受けました。あと、著書に書いてあった「二つ買えば三つ得」とか。あれって、行動経済学の世界では典型的な買わせるための方法ですね。

井出氏:それはありますよね。そのほうが売れるっていう。

井戸氏:私、ずっと神戸に住んでいるので、阪神・淡路大震災も経験しています。なので、井出さんが東日本大震災のときの出来事を書かれているところも、すごく共感しました。買い占めのことも書かれていましたよね。

たとえば、沖縄の離島へ行けば、お店の棚に食品があまり陳列されていないところもあります。物が少ない離島でもそれなりに生活できているのに、震災のときに買い占めるというのでは、心の余裕もなくなってしまいますよね。普段は別に他人のことを気にして生きているわけではないんですが、共存・共栄というか、助け合うことで良い結果が生まれると思うんです。

与えられたもの、今あるもので自分なりにゆっくり過ごしていくことが、回り回って食品ロスを減らすことにも影響してくるんじゃないでしょうか。一人一人の心の持ちようを、井出さんはすごく書かれているように感じました。

井出氏:食品ロスというと、「食」という限定されたもののように見られがちなんですけど、「働き方改革」という観点で考えても、すごく無駄なことをしているように思うんです。

だって、世界全体で作っている食品の量の3分の1を捨てているということは、最初から作らなければ、働く人はもっと楽だったろうし、電気や水や原材料などが最初から無駄にならなかった。そう思うと、本当にいろんな面でもったいないと思います。

このように考えると、キーワードが「食」にとどまらず、「経済」「お金」「環境」そして「働き方改革」と、色々な話になってきますね。
食品ロスのことをできるだけ「自分ごと」として考えてもらうためには、環境というよりは「お金」のほうがみんな自分ごととして考えてくれますよね。なので、最近の講演では、必ず1万円札をバーンと出すようなパワポを作って、「1万円札は捨てませんよね?」みたいな感じで訴えかけます。食品ロスって何なのか知らないという方々には、他人ごとにならないよう、本当に自分ごとになるように、気を付けて伝えることを心がけています。

井戸氏:1万円札を映して、これは捨てないけれども、これが食品に変わったら平気で捨てるんですね、というお話をするのですか。

井出氏:自著の中でも、白黒写真でごみ捨て現場にいっぱい食べ物が入っているのをバーンと見せて、「今日も家庭からこういう食品ロスが出ているんですよ」と言って、「さて、1世帯4人と仮定するとこれは何万円分でしょうか? 年間何万円捨てているでしょうか?」と問いかけます。すると、みんなが想像をめぐらしますよね。その次に、1万円札が6枚ある写真を見せて、「実は年間6万円も捨てているんです」と種明かしをします。

井戸氏:現代人は、時間を無駄にしないために、いろんなものをかえって捨てているんだなと感じますね。

井出さんは食品ロスという切り口ですけれども、お金の世界も同じで、お金がない、将来のことが不安だとお金を抱え込む一方で、不要なものを買い過ぎて浪費するとかいうのもある。もうちょっと余裕を持つことが大事ですね。余裕が出たお金を個人型確定拠出年金(iDeCo:イデコ)でちょっとずつ貯めていけばいいんじゃないかと思うんですけれどね。

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モノを大切にし、お金に振り回されない

井戸氏:全部使い切ることって、ちょっと考えれば、きちんとできますよね。最近では、家電を捨てるのにもお金を払わないといけなくなりましたよね。それを考えただけでも、もうちょっとモノを大事に使っていこうと思いますので。

昔は、紙ひとつとっても、折り込みチラシを切って裏紙をメモ代わりにしたりとか、いろいろ工夫していましたよね。

井出氏:うちの母も、それやっていました。あと、ごみ箱を作ったり。

井戸氏:お金って、最後までモノを使うことによって、そんなに頑張らなくても意外と貯まっていくもんじゃないかと思いますよ。

井出氏:あとすごく不思議なのが、年収ランキングみたいなものが雑誌で特集されると、年収が高いほど良くて、下ほど駄目みたいな風潮があります。しかし、今は昔に比べて世帯人数が減っているじゃないですか。5人家族と1人暮らしとでは、目指すべき年収もおのずと違ってくると思います。なのに、みんなが一律に同じような年収を目指してランキングで煽るのが、ものすごく不思議なんですよね。

井戸氏:確かにそうですよね。また、年収や貯蓄といった話では、必ず「平均値」というものが話題になります。年収の平均は420万ぐらいですかね。そうすると、平均より低いと駄目って思い込む人が相当数いるんですね。でも、暮らし方にもよるし、地域にもよりますから、一概には言えませんよね。年収が高いってことは、それだけいろんなものを犠牲にして頑張らないといけなかったり、あるいは年収の高い時期が短かったりするかもしれないのですが、お金(年収)に結構振り回されてしまう方が多いと思います。

食品ロスから広がるお金のこと、iDeCo(イデコ)のこと

井戸氏:ものを大事にすることによって、お金の余裕がだんだん出てきます。たとえば、今すごく注目されているiDeCo(イデコ)にしても、制度の存在を知らなければ意味がないし、知っていても活用しなければもっと意味がありません。

お金まわりのことって、知らないと損してしまうことがじつに多いんです。知らぬが故に、できることができなかったら嫌ですもんね。まさに「知らないはもったいない」です。

井出氏:「情報の非対称性」ですね。お金にしても、食べ物にしても、生きている限りは絶対付き合っていかなければならないものなのに、今の義務教育ではあまり扱われてないというのが、すごく残念です。

井戸氏:お金を貯める理由としては、「老後の心配や病気になったら嫌だから」という理由が多いです。やはり、歳をとっても働ける体でいられるというのが、結局のところ一番大事でしょうし、健康を支えるのはやはり食べ物であったり、お金の使い方の習慣であったりするから、自分の感性が鈍ってないか、どこかでチェックできたらいいですよね。

海外に行ったりすると、日本って四季もあるし、恵まれているというか便利過ぎるんだなと思いますよね。昔アイスランドに行ったことがありますが、寒いからお店にも全然野菜がなくて。

井出氏:アイスランドでは、基本的には肉だけ食べるんでしたっけ?

井戸氏:そうそう。肉ばかりで、野菜は一切なくて。すごく高いお金を払っても、冷凍のミックスベジタブルしか出てこないんです。でも、「野菜がなくても生きていけるんだ」と逆に感心しましたね。でも日本には、いろんな野菜があったり、その土地土地でもたとえば京野菜なんかがあったり、そういう季節に対する感性って優れているんじゃないかと思います。

井出氏:私はフィリピンに住んでいたときに、四季がないのをさびしいと感じていました。12月から2月にかけては少し気温が下がるので、当時はお湯の出る家に住んでなかったので水をかぶるんですけど、フィリピンといえどもやっぱり寒くて(笑)。一方で、果物で四季の移り変わりを感じるんですけど、でも正月にスイカとか出てくる(笑)。正月が明けると、スイカとメロンが山のように出てきて、何なんだろうみたいな、このやるせなさ、というのはありましたね。

井戸氏:食べることって、さまざまなことの根幹ですけれども、そこからお金のことやiDeCo(イデコ)のことにまで話が及ぶなんて、食品ロスってじつに切り口が幅広いですね。

井出氏:貴重なお話、ありがとうございました。

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執筆: 株式会社ZUU
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