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老後破産の実態とは?破産の原因やすぐに始められる対策について

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厚生労働省の「令和元年簡易生命表の概況」によれば、男性の平均寿命は81.41歳、女性は87.45歳というデータが出ており、前年と比較すると男性は0.16年、女性は0.13年を上回っています。この結果から見ると、日本人は以前よりもますます長生きになっており、平均寿命は毎年のように伸びています。

長生きは喜ばしいことではありますが、一方で「長生きリスク」という言葉も聞かれます。それは、生きていく上で必要なお金が、平均寿命と共に増えているからです。

老後破産とは

老後破産とは、リタイア後の生活資金が足りず、貧困状態での生活を余儀なくされる状態を指します。高齢化に加え核家族化が進む現代において、その数は今後も増えると予想されており、そうした状況に陥ることのないよう、若いうちから老後の生活資金を蓄えておくことが重要となっています。

老後の生活費の平均

総務省統計局がまとめた「2019年(令和元年)家計調査報告 家計収支編」によれば、年金で夫婦2人暮らしをしている夫65歳以上、妻60歳以上の家庭の実収入は23万7,659円。そのうち91.3%は公的年金など社会保障からの収入となっています。一方、消費支出は23万9,947円で、非消費支出である税金等を含むと一ヵ月あたり約3万3,000円が不足する計算となります。

人によっては年金収入だけで生活していけるかもしれませんが、現役のときの給与所得に比べて公的年金の受給額が大きく下回った場合、老後の生活における月々の収支がマイナスになることが想定されます。

「現役世代に貯蓄をして、老後は公的年金を受給しながら貯蓄を取り崩して暮らす」ということは、老後のライフスタイルとして1つの方法です。また、公的年金は「どんなに長生きしても終身で受給できる」制度のため、収入がゼロになってしまうということはありません。

老後破産の実態

冒頭の「令和元年簡易生命表」で、それぞれの年齢に照らして見てみましょう。2019年の時点で65歳の男性はあと19.83年、女性はあと24.63年の平均余命があると読み取れますが、「平均」ということは、もちろんそれを上回って長生きする場合もありえます。

「2019年(令和元年)家計調査報告 家計収支編」のとおりに、一ヶ月あたり約3万3,000円が不足するとなった場合、例えば30年の平均余命があるとすれば、約1,200万円の老後資金が必要となる計算になります。

では、誰もがこの不足額に見合う貯蓄をしているのでしょうか? 2019年の「高齢者世帯の貯蓄現在高階級別世帯分布(2人以上の世帯)」では、貯蓄の平均値は2,285万円となっています。このデータから見ると、約55%が不足分にあたる1,200万円以上の貯蓄を持っていることになります。また、貯蓄保有世帯の中央値は1,506万円です。

しかしその一方で、全体の半数近い人が貯蓄1,200万円未満、さらに全体の38.5%が貯蓄1,000万円未満、そして貯蓄100万円未満の高齢者世帯が全体の8.5%を占めていることも分かります。

このように、社会保障を受けている現在のシニア層にも、すでに貧困問題が顕在化しており、十分な公的年金が期待できない現役世代においては、自助努力をしておかないと、老後に経済破綻してしまうリスクを抱えていると言えます。

老後破産の原因

ではなぜ、老後破産は起きてしまうのでしょうか。4つの可能性からその原因を紐解いてみます。

年金支給額が減少する可能性

年金の支給開始時期には、過去にすでに繰り上げられた事実があり、平成14年4月に施行された厚生年金保険法の改正により、60歳から65歳に段階的に引き上げられています。

再就職や継続雇用制度の活用によって、仕事を続けながら年金を受取ることを考える人は多いですが、ここにも注意点があります。60歳以降も厚生年金に加入し、働きながら受取る老齢厚生年金のことを「在職老齢年金」といいますが、現行の年金制度では、給与と年金を合わせた額が一定額を超えると年金の一部が減額、あるいは全額支給停止となります。

厚生労働省では、「退職してからは企業年金を受取り、70歳から公的年金を受取る」という流れを推奨していますが、老後のために働き、年金を支払ってきたのに、もらえるはずの額がもらえないといった事態が発生する可能性もあります。そのため、計画的に働く必要がでてくるのです。

なお、令和4年4月から、60歳代前半の在職老齢年金の支給停止の仕組みが緩和されることが決まっており、支給停止の基準額が28万円から47万円に引き上げられます。また、在職中の年金額を毎年計算するなど、高齢者の働きやすさに配慮した改正がなされることになっています。

住宅などのローンが払い終わっていない

給料は20代で入社したあと右肩上がりに上昇していき、40代でピークを迎えます。50歳を超えると「役職定年」などの制度が適用され減収に転じるのが今までの一般的なケースです。

しかし、雇用形態や賃金体型が変わっている現在、住宅ローンを支払っていくと、老後の貯蓄にまでお金が回らないこともあります。

また、近年は晩婚化も進んでおり、マイホームを購入するタイミングも相対的に遅くなっています。定年までにローンの支払いが終わらないという人も出てくるでしょう。そうした時代の変化が老後破産につながる可能性もあるのです。

医療費や介護費の増加

高齢者になれば、病気やケガで体調を崩すリスクは増えます。後期高齢者の医療費は原則として1割負担ですが、現役並みの収入がある場合は3割負担となり、大きな病気にかかると長期で治療費が必要となる可能性も出てきます。また、1回あたりの支出が少なくても、入院や通院の回数を重ねればトータルの負担は大きくなります。

一方、介護の不安も無視はできません。生命保険文化センター2018年の調査では、過去3年間に介護経験がある人の平均の介護期間は4年7ヶ月、月額の介護費用は平均7.8万円となっています。やがてやってくるかもしれない介護の時に備え、「どのような介護を希望するか」「介護や医療の費用はどこから捻出するのか」について、元気なうちから話し合いを重ねることが大切です。

教育費や養育費による出費

子どもの教育費も人生において大きな支出になるものの1つです。「子供の学習費調査結果」や「教育費負担の調査結果」によれば、幼稚園から大学までずっと公立に通ったとしても、子ども1人あたりの教育費の総額は平均約1,000万円、すべて私立を選択した場合は2,000万円を超えています。

晩婚化が進んだことで子どもを産む年齢も高齢化し、定年時期まで養育費・教育費が減らないことが、老後資金を貯めることをさらに難しくしている背景もあります。

余裕のある老後を過ごすには

「余裕のある」老後を目指すなら、貯蓄額はどのように変わってくるのでしょうか。生命保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査」によれば、夫婦2人で老後生活を送るのに必要と考えられる最低限の生活費は月に平均22万円。

しかし、「最低日常生活費」と「ゆとりのための上乗せ額」を合計した「ゆとりある老後生活費」は平均36万1,000円となっています。ここで言う「ゆとり」とは、旅行やレジャー、趣味や教養といった日常生活費の充実を指します。

できれば、老後にはゆとりのある生活を送りたいと思う人は多いと思いますが、そのためには公的年金以外の大きな柱となる、企業年金やiDeCo、預貯金をしっかり蓄えておく必要があります。現在の支出に無駄はないか、一度見直してみたり、これから先に必要となる費用をライフプランと共に書き出してみてはどうでしょうか。

マイホームや車のローン、子どもの学費といった大きな費用以外にも、自宅の修繕費・車の維持費・医療保険などさまざまな資金が今後は必要となることが考えられます。将来に備えて貯蓄している人も、再度計画を練り直すことをお勧めします。

老後破産を防ぐ方法は?

老後破産を防ぐためのステップは、大きく分けて以下の3つに分けられます。

ステップ1:公的年金の受給見込額を確認する
ステップ2:生活費を見直す
ステップ3:収入がアップする制度を活用する

ステップ1やステップ2は、日常の中での細かい確認や見直しを心がければ、ある程度自分の力で実現できるものです。ステップ3では、再雇用などを経て長く働き続けることや公的年金の「繰り下げ受給」があげられます。しかし、状況を劇的に改善できるものとは言えず、継続には忍耐も必要となってきます。そこで老後の資金は現役時代から準備することが大切です。「iDeCo」「つみたてNISA」といった税制メリットが手厚い制度を利用すれば、日常的な節制とは違う尺度で老後破産への対策を打つことができます。

老後破産を防ぐ3つのステップについて詳しくはこちら
>>今すぐできる!老後破産を防ぐ3つのステップ

税制メリットのある制度を利用する

では、前項でご紹介した「iDeCo」「つみたてNISA」とは、それぞれどのような制度なのでしょうか。

iDeCo(イデコ)

個人型確定拠出年金であるiDeCo(イデコ)とは、元本確定型(定期預金・保険など)や値動きのある商品(投資信託)といったラインナップの中から、自分で商品を選定して運用する制度です。最低5,000円から1,000円単位で積み立てができるだけでなく、以下のようなメリットがあり、老後資金を形成するのに向いています。

  • 積立期間中の運用益が非課税になる
  • 掛金の全額が所得控除になる
  • 受取時も優遇制度がある

注意点として、iDeCoは老後の資産形成のための制度であるため、掛金は60歳になるまでは引き出すことができません。無理のない範囲での拠出に留めるように掛金設定は慎重に行う必要があります。

つみたてNISA

つみたてNISAは、安定的に資産形成を行うための長期・分散型の積立投資ができる制度です。年間40万円までの投資で得られた利益を、最長20年まで非課税で運用できるため、上限額まで積み立てられれば、最大で800万円に対する運用益が非課税になります。

購入できるリスク性の金融商品は、すべて金融庁が定めた一定の基準をクリアした投資信託・ETF(上場投資信託)です。購入時手数料は無料(ノーロード)が基本のため、投資を始めるための費用は最小限にできます。また、信託報酬も低く抑えられており、長期投資に適した商品が取り揃えられています。

老後破産とならないために

老後の暮らしを支えるのは「公的年金」と「貯蓄の取り崩し」です。この原則は変わりませんが、現在の高齢者に比べて十分な給付水準が期待できない現役世代は、「貯蓄」部分を厚くしておかなければなりません。夫婦2人の1ヵ月の支出は約22万円程度、余裕のある生活を求めるなら36万円程度が目安となります。

「稼ぐ力」も「貯める力」もある現役時代に比べて、老後は働く機会や健康も心もとなくなるのは当然です。現在の暮らしの無駄を見直し将来に向けて貯蓄する努力が、老後の自分を救うことになるでしょう。

※当記事は2021年2月現在の税制・関係法令などに基づき記載しております。今後、税務の取扱いなどが変わる場合もございますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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執筆: 確定拠出年金スタートクラブ編集部
  
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