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確定拠出年金の基礎知識 / iDeCo(イデコ)に関する「変更」の手続きあれこれ

iDeCo(イデコ)に関する「変更」の手続きあれこれ

(写真=Martin Gardeazabal/Shutterstock.com)

老後資産の形成手段として注目度が高まっている個人型確定拠出年金(iDeCo(イデコ))。10年・20年といった長期で加入し資産運用を続けていく中で、掛金の金額や運用商品の変更、あるいは金融機関の変更など、さまざまな場面で変更手続きが必要になるケースが出てくるかもしれない。そこで今回は、どのようなケースでどのような変更手続きをすればよいのかを整理しておこう。

掛金を増額したい

長期で運用を続けていると、家計の状況やライフプラン、投資に対する考え方にも変化が出てくるはずだ。途中でiDeCo(イデコ)の掛金額を「増額」あるいは「減額」したいケースも出てくるだろう。iDeCo(イデコ)では、毎年1月引落分から12月引落分までの間で1回に限り、掛金額の変更が可能だ(サラリーマンから自営業になるなど「被保険者種別」が変わった場合の掛金額の変更は、「年1回の変更」には該当しない)。

具体的な手続きとしては、自営業者等(国民年金の第1号被保険者)、会社員・公務員(第2号被保険者)、専業主婦等(第3号被保険者)ごとに「加入者掛金額変更届」が用意されているので、必要事項を記入して、加入している金融機関(運営管理機関)に提出すればOKだ。その後、金融機関によって書類がiDeCo(イデコ)の運営主体である国民年金基金連合会に送られ、変更の審査が行われる。審査が通れば手続きは終了。その翌々月から変更後の掛金を納付できるようになる。

掛金の拠出を休止したい

上記とは逆に、iDeCo(イデコ)への掛金の拠出を一旦休止しなければならない状況も発生するかもしれない。たとえば、子どもができて教育費を優先しなければならなくなったり、ケガや病気によって一時的に収入が減ってしまったりした場合だ。iDeCo(イデコ)は一度加入したら解約・脱退は原則不可能だが、掛金の拠出を休止することは可能だ。

具体的には、「加入者資格喪失届」を金融機関(運営管理機関)から取り寄せ、必要事項を記入後、金融機関に返送する。前述の掛金額の変更と基本的な流れは同じだ。掛金拠出を休止すると、「加入者」から「運用指図者」に立場が変わる。この場合、掛金の拠出は行わないが、これまで積み立てた資産の運用は続けることになる。また、運用指図者にも手数料負担は発生する。

掛金拠出を再開したい場合は、「個人型年金加入申出書」を提出して、運用指図者から加入者に戻る必要がある。iDeCo(イデコ)による所得控除のメリットを享受するためには、状況に余裕が出たら掛金拠出を再開することをおすすめしたい。

加入者の立場(種別)が変わったら

かつては当たり前だった終身雇用の文化が変わりつつあるなか、仕事をやめて独立したり、フリーランスから就職したりといった「ライフコースの変化」が珍しくなくなっている。ライフコースの変化に伴い公的年金の被保険者種別が変更となった場合、iDeCo(イデコ)でも所定の手続きが必要となる場合がある。

たとえば、専業主婦でiDeCo(イデコ)に加入していて、その後企業型確定拠出年金のない会社に就職した場合は、iDeCo(イデコ)の継続はそのまま可能だ。しかし、国民年金の「第3号被保険者」(扶養される立場)から「第2号被保険者」(厚生年金や共済組合の加入者)に立場が変わるので、この場合は、「加入者被保険者種別変更届」を金融機関(運営管理機関)に提出する必要がある。

また、第3号被保険者から第2号被保険者に変わった場合、iDeCo(イデコ)の掛金額の上限も月額2万3,000円から月額1万2,000円(勤務先に企業年金制度等がある場合)まで減額となる場合がある。専業主婦時代に月額1万2,000円より多く拠出している場合は、掛金額の変更手続きが必要となつこともある。なお、会社に企業年金制度等(確定給付企業年金・厚生年金基金等)がなければ、掛金額の上限は2万3,000円のままだ。

運用商品を変更したい

長期で資産運用をしていると、人生の環境や考え方、あるいは相場環境等が変化することもあるだろう。iDeCo(イデコ)に加入した当初は「とりあえず定期預金で安全に運用しよう」と考えて運用をスタートしたが、しばらくして「もう少しリスクをとって利益を増やしたい」などと考えが変わるケースも十分あり得るからだ。このような場面で行う手続きが、「配分変更」「スイッチング(預け替え)」だ。

配分変更とは、毎月の掛金で購入する運用商品の割合を変更することだ。たとえば、毎月の掛金で商品Aに50%、商品Bに40%、商品Cに10%という割合で投資していたところを、商品Aを30%、商品Bを30%、商品Cを40%に変更するという具合だ。

一方、スイッチング(預け替え)とは、今まで積み立てた資産の資産構成を変えることである。

「配分変更」も「スイッチング(預け替え)」も、インターネットあるいはコールセンターを通じて行うことができる。インターネットで変更する場合には、金融機関によってホームページのスタイルが変わるので、わかりづらい場合はコールセンターを利用するといいだろう。

iDeCo(イデコ)をやめたい

iDeCo(イデコ)では、途中で脱退して資金を引き出すことは原則として認められていない。ただ、「国民年金の保険料免除者であること」といった以下の要件を満たせば、途中で脱退して「脱退一時金」をもらうことは可能だ。ただし、全ての要件を満たすのは非常に難しいため、基本的には脱退はできないと考えておいたほうがいいだろう。

【脱退一時金の受給要件】
・国民年金保険料の全部または一部について納付を免除されている
・障害給付金の受給権者でない
・掛金を拠出した通算期間が3年以下、または資産額が25万円以下
・最後に企業型DCまたはiDeCo(イデコ)の加入資格を喪失した日から起算して2年以内
・企業型確定拠出年金の加入資格を喪失した際に脱退一時金を受給していない

脱退するための手続きとしては、「脱退一時金裁定請求書 兼 個人別管理資産移換依頼書」を金融機関に提出する。その後、国民年金基金連合会が脱退要件を満たしていると判断すれば、残っている資産を「脱退一時金」として受け取れる。しかし、前述の通り脱退要件を満たすのは非常に困難なので、もしも掛金の拠出を止めたければ、脱退ではなく前述の運用指図者になる選択をするのが現実的だ。

iDeCo(イデコ)の資産を企業型DCに移換するには

iDeCo(イデコ)の加入者が転職して、転職先に企業型確定拠出年金(企業型DC)がある場合は、iDeCo(イデコ)の資産をそのまま企業型DCに移換することができる。手続きとしては、「加入者資格喪失届」内の資格喪失理由欄で「企業型確定拠出年金の加入者となった」を選び、「個人型年金の加入者資格喪失に係る証明書」と合わせて金融機関(運営管理機関)に提出すればいい。
なお、その会社の企業型DC規約で「iDeCo(イデコ)との同時加入」が認められている場合は、そのままiDeCo(イデコ)への加入を続けることもできる。

転職先の会社で行う手続きとしては、勤務先から「個人別管理資産移換依頼書」を受け取り、担当部署に提出すればOKだ。なお、これまでのiDeCo(イデコ)の資産は一度現金化され、会社側が指定する運用商品などに配分されるので、新たな運用商品で運用を始めるためには、スイッチングを行う必要がある。

また、iDeCo(イデコ)の資産を企業型DCに移換せず、運用指図者としてiDeCo(イデコ)口座でそのまま運用を続けることも可能だ。その場合は、前述の掛金拠出の停止手続きと同様、「加入者資格喪失届」を提出することになる。もっとも、企業型DCでは口座管理手数料などが会社負担になるため、コスト面を考えると企業型DCに資産を移すのが得策となるのが一般的だ。

住所や掛金引落口座を変更したい

転勤して居住地が変わったり、iDeCo(イデコ)の掛金引落口座を地元の金融機関に変更したい場合は、金融機関(運営管理機関)に「加入者等氏名・住所変更届」を提出すればいい。掛金の引落口座を変更したい時は「加入者掛金引落機関変更届」の提出が必要となる。いずれも、加入しているiDeCo(イデコ)の金融機関(運営管理機関)に提出すればOKだ。

給付を受けるための手続き

iDeCo(イデコ)の老齢給付金は、原則60歳から受け取れる。ただし、60歳から年金資産を受け取るには「通算加入者等期間」が10年以上あることが要件となる。10年に満たない場合は、受給可能な年齢が最長65歳まで引き上げられる。通算加入者等期間および受給開始可能年齢との関係は、以下の通りだ。

【通算加入者等期間と受取開始可能年齢の関係】
 10年以上:60歳以降
 8年以上10年未満:61歳以降
 6年以上8年未満:62歳以降
 4年以上6年未満:63歳以降
 2年以上4年未満:64歳以降
 1月以上2年未満:65歳

最後に、「通算加入者等期間」とは、企業型DCおよびiDeCo(イデコ)の「加入者期間」および「運用指図者期間」のうち、60歳未満の期間を指す。企業型DCの加入にあたって、他の企業年金制度から資産を移換した場合は、移換前の制度の加入期間も通算される。

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執筆: 株式会社ZUU
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