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老後のための貯蓄はいくらあればいい?生活資金を計算してみよう

(画像=chinnarach/stock.adobe.com)

老後は公的年金が支給されますが、それだけでは生活費を賄えない場合、貯蓄に頼らなければなりません。先行きが不透明な経済状況の中、特に40代・50代は老後資金について真剣に考える必要があります。今回は、老後に必要な貯蓄額の考え方や、貯蓄を増やすためのポイントなどを解説していきます。

1.老後資金に該当するのは?

老後資金は、一般的には公的年金や預貯金などを生活資金として使い始める時期を始まりとして考えます。毎日の食費だけでなく、家賃や住居の維持費(固定資産税など)、娯楽・趣味、交通費、病院にかかったときの医療費など、その内容は多岐にわたります。定年後、費用を預貯金や年金だけでまわしていくことはとても大変です。

2.40代・50代の平均貯蓄額

2019年の金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」によると、40代の金融資産保有額の平均は694万円、保有額が多い世帯から順番に並べて真ん中にあたる世帯の保有額(中央値)は365万円でした。同調査における50代の平均貯金額は1,194万円、中央値は600万円でした。

調査結果とあなたの家計を比べるといかがでしょうか? 「そんなに貯蓄できていない…」と思った方は、今からできる老後の資金準備を考える必要がありそうです。

40代、50代の老後資金の貯め方のポイントについては、以下の記事もあわせてご覧ください。
>> 老後資金の貯め方を解説!40代、50代からできる実践方法

3.老後の貯蓄はいくらくらいあれば良い?

一般的な夫婦2人世帯では、老後の生活費はどのくらい必要になるのでしょうか。ここでは、夫が会社員で妻が専業主婦、夫婦ともに60歳から90歳までの生活費をシミュレーションしてみました。

老後までに準備すべき金額は、「老後に予想される生活費」から「老後に予想される収入」を引くと算出できます。

総務省が調査している2019年の「家計調査年報」によると、2人以上の世帯の1ヵ月の消費支出は、60代の場合が29万2,533円、70代以上の場合は24万1,262円です。これをもとに計算すると、60歳から90歳までの夫婦の生活費は約9,300万円となります。

一方、厚生労働省が2021年に発表した夫婦2人の「老齢基礎年金を含む標準的な年金額」のモデルケースでは、令和3年度の年金受給額は22万496円でした。 65歳~90歳までの25年間年金を受け取った場合、約6,600万円の収入になります。

また収入に関しては、年金以外に「退職金」の計算も必要です。厚生労働省が2018年(平成30年)に発表したデータでは、退職金額の平均は大学・大学院卒で勤続20年以上かつ45歳以上の退職者で1,788万円でした。

退職金と年金を合わせた収入額と老後にかかる生活費を計算すると、老後の生活において足りない金額を算出できます。

老後生活費9,300万円-(年金6,600万円+退職金1,788万円)=912万円

今回の試算のケースでは、自ら用意して置かなければいけない金額は900万円であることが分かります。

4.老後の貯蓄額を考える上で注意すべき3つのポイント

40代・50代は、老後の生活資金を準備するだけでなく、以下の3つのポイントに注意する必要があります。

4.1.教育資金を見積もる

昨今では晩婚化が進んでおり、子供を授かる人も増えています。この場合、50代になってから子どもが大学に進学することもあるため、教育資金はしっかりと見積もっておく必要があります。

4.2.いざというときの資金を確保する

高齢になるにつれて、病気やケガに見舞われるリスクが高まります。厚生労働省の「平成29年(2017)患者調査」によると、75歳以上の人のがん治療には20日以上、認知症の場合は250日以上の入院が必要と言われています。

医療費控除や高額療養費制度など、医療費のサポートが受けられる制度もありますが、先進医療を受けることや治療が長期化することも想定し、お金の面で困らないよう備えておきたいものです。また、医療費だけでなく、自分が介護される立場になった場合の介護費用についても考えておきましょう。

4.3.持ち家のリフォーム費用を見積もる

持ち家の場合は、老朽化した箇所のリフォーム費用が必要になります。外壁の張り替えは10年に1度は必要とされており、床や水道管の老朽化による修繕が必要になる場合もあります。

また、バリアフリーの導入を検討する可能性もあるでしょう。

2019年に一般社団法人住宅リフォーム推進協議会が公表した「住宅リフォーム潜在需要者の意識と行動に関する調査第11回報告書」では、戸建て、マンションともに260万円程度のリフォーム費用が必要になると書かれています。

もちろん賃貸の場合はかからない費用ですが、家賃は必要です。今後の費用も見積もっておきましょう。

5.老後の備えに活用したい制度2選

老後に備えて資産を増やしたい場合は、貯金だけでなくさまざまな制度を活用すべきです。ここでは、つみたてNISAとiDeCoをご紹介します。

5.1.つみたてNISA

つみたてNISAは、毎月一定額で投資信託を購入・運用するもので、運用により得られた利益が非課税になるというメリットがあります。最長20年間、年間40万円まで非課税で投資することができます。

例えば、40歳から月3万円の積立投資を始めた場合、年利3%の運用ができれば20年で約985万円になります。

ほとんど利息がつかない銀行預金で積立てると約720万円になり、約200万円もの差ができます。ただし、あくまで投資なので、損失を被るリスクもあることを忘れないようにしましょう。

5.2.iDeCo(イデコ)

iDeCo(イデコ)は個人型の確定拠出年金であり、60歳になるまで毎月一定の金額を自分で拠出し、投資信託や定期預金、保険などの金融商品の中から自分が任意の商品を選んで運用するものです。

運用した掛金は60歳以降に受取ることができ、運用益が非課税になるだけでなく、掛金は全額所得控除となるなど、税制のメリットがあります。

iDeCoは企業年金制度のない会社員の場合、年間27万6,000円まで拠出できるため、コツコツと資産形成をしたい人に向いています。

老後の資産形成にぴったりの制度ですが、原則60歳まで解約ができないことに注意が必要です。無理のない範囲の掛金を設定しましょう。年に1回、金額の変更もできます。

なお、下記記事ではiDeCoでどれくらいの資産の準備が可能なのかのシミュレーションをご紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
>> iDeCoの利回り計算「老後資金2,000万円」への道のり

6.他にも老後資金を貯める方法はある?

老後資金を貯める方法としては「つみたてNISA」「iDeCo」以外にも手段があります。

また、老後資金を得る方法は投資だけではありません。転職や資格の取得、起業、副業などの手段で収入を増やせれば、貯蓄や資産運用に回せるお金が増えていきます。

以下の記事では、年代別の資産形成のポイントについて、さらに詳しくご紹介しています。ご自身に適した資産運用を知りたい方は、ぜひご覧ください。
>> 老後資金の「必要金額」と「貯め方」年代別に何をすれば良いのか?

さらに、「退職金」の確認もしておきましょう。厚生労働省「平成30年 就労条件総合調査」の「退職給付(一時金・年金)の支給実態」によれば、退職金制度がある会社の割合は80.5%でした。 つまり、5社に1社は退職金制度が導入されていません。

前述のとおり、大学・大学院卒で勤続20年以上かつ45歳以上の退職金の平均は2018年(平成30年)で1,788万円です。 ただし高校卒の方の場合は、1,396万円と大学卒の78%程度の受取額になります。

「3.老後の貯蓄はいくらくらいあれば良い?」で不足する老後資金を912万円と試算しましたが、これは退職金を1,788万円と仮定した場合の金額です。そのため、仮に退職金が高卒平均の1,396万円だった場合、1,304万円が不足する計算になります。もちろん、退職金が受取れない職場だった場合はその分も自らで用意する必要があります。

厚生労働省で公表されている退職金の金額は、あくまで平均の金額ですので、ご自身が将来受取れる退職金がいくらなのか事前に把握しておくことが大切です。不足額が明らかになれば、資産運用で活用すべき商品や掛金も自ずと決まっていくでしょう。

7.老後は正しく見積もり早めに備えよう

長生きをすると、どのくらいの生活費がかかるのだろうか。介護が必要になったらなど、老後の心配事は尽きませんが、十分な貯蓄があれば、ある程度は不安を解消することができます。

日頃の支出の削減はもちろんのこと、将来のための積立てなど賢い資産運用を行い、少しでも老後の収入を増やすため、40代・50代のうちから準備をしておきましょう。

※当記事は2021年6月現在の税制・関係法令などに基づき記載しております。今後、税務の取扱いなどが変わる場合もございますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません


監修者 井戸 美枝

ライフプランや企業年金・iDeCo、公的保障を得意とする経済エッセイスト。

講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題、年金・社会保障問題について解説している。

■資格・会員
・社会保険労務士 兵庫県社会保険労務士会会員
・ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)日本FP協会会員
・一級ファイナンシャル・プランニング技能士
・産業カウンセラー、キャリアコンサルタント、DCプランナー
・発酵マイスター・日本年金学会会員

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執筆: 株式会社ZUU