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知っているようで知らない「名目GDP」と「実質GDP」の違い

GDP
(写真=zhaoliang70/Shutterstock.com)

ニュースでよく耳にする「GDP」は、景気判断で用いられる代表的な指標です。GDPには「名目GDP」と「実質GDP」がありますが、「どういうものなのかわかりにくい」「違いがよくわからない」という人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、両者の違いについて詳しく解説していきます。

GDPとはどういうものか

GDPとは下記の略称で、「国内総生産」のことです。国内で一定期間内(一般的には1年間)に生産されたモノやサービスの付加価値の合計額を表します。
G:Gross(合計)
D:Domestic(国内)
P:Product(産出物、成果)

GDPは「国内総生産」ではあるものの、市場で取引されたものを対象としているため、家事労働やボランティアなどは含まれません。また、国内市場での取引を対象としていることから、国内企業による海外の取引・生産・サービスなども含まれません。

GDPは日本の景気を測る指標として利用されており、内閣府により四半期ごとに発表されます。

名目・実質GDPの推移を見ると、2008年のリーマンショックに端を発する世界的な不況によって大きく下がり、その後は右肩上がりで持ち直してきたことがわかります。日本では、アベノミクスによる「三本の矢(大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略)」によって、雇用や失業率を含む経済全体が徐々に改善・回復し、GDPも伸びてきました。

出典:厚生労働省ホームページ

しかし2020年は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界規模の経済的打撃によって、名目・実質GDPともに大きく減少しています。2020年4~6月期2次速報(2020年9月8日)によると、名目GDPは505.4兆円、実質GDPは484.8兆円。四半期の成長率は、名目GDPが-7.6%、実質GDPは-7.9%でした。
これは日本だけのことではなく、世界的に見られる傾向です。各種GDP予測を見ても、これほど大きな落ち込みは想定していませんでした。

名目GDPと実質GDPの違いは?

名目GDP

名目GDPとは、国内で一定期間内に生産されたモノやサービスの付加価値の合計額を表す指標です。その年に生産された財やサービスについて、それぞれの付加価値を足し合わせて算出します。

実質GDP

実質GDPも、名目GDPと同じく国内で一定期間内に生産されたモノやサービスの付加価値の合計額を表す指標ですが、物価変動の影響を取り除き、その年に生産されたモノやサービスの本当の価値を算出したものです。

例えば、ある国がある年に100円のコーラを10本販売したとしましょう。この場合、その年のGDPは1,000円(=100円×10本)です。

では、翌年コーラの値段を100円から110円に値上げして、10本販売したらどうなるでしょうか。名目GDPは110円×10本=1,100円と算出しますが、実質GDPの計算では10円の値上げ分は考慮されないので、実質GDPは前年と同じ1,000円になります。

この例では、取引額の拡大(1,000円→1,100円)は物価上昇によるものであり、販売数量が増えたわけではありません。つまり、名目GDPは物価変動の影響を受けるため、どの程度経済が成長したかが把握しにくいのです。したがって一国の経済成長を測る際は、一般的には実質GDPが用いられます。

内閣府から発表された2019年の名目GDPは+0.8%、実質GDPが±0.0%(前年度比)でした。実額は、名目GDPが552.5兆円、実質GDPが533.5兆円。物価変動の影響を受ける名目GDPと実質GDPには、大きな差があることがわかります。

景気判断と投資判断の材料に活用できる

GDPは日本だけでなく、世界各国でも公表されています。個人型確定拠出年金(iDeCo)で外国債券や外国株式を投資対象に選ぶ際は、各国のGDPを参考にしてみるのもよいでしょう。

では、名目GDPと実質GDPをどのように見ればよいのでしょうか。前述のとおり、名目GDP成長率がプラスだからといって、必ずしも景気が拡大しているとはいえません。所得の上昇割合が物価のそれを上回らない限り、実質的な所得増にはならないからです。

昨年よりもモノやサービスを値下げして取引数量が伸びた場合、実質GDP成長率はプラスになります。ただし、物価が下落する状況はいわゆる「デフレ」であり、日本の「失われた20年」を考えても、その状態が経済成長かと問われれば疑問符がつくでしょう。

つまり名目GDPも実質GDPも、成長率や実額の増減だけで判断するのではなく、実質所得の伸びや物価上昇率を含めて、複合的に見る必要があるのです。

2012年12月に発足した第二次安倍政権は経済政策アベノミクスを掲げ、2020年頃までに名目GDPを600兆円に引き上げることを目標にしました。

これによってGDPは2019年まで緩やかに伸び続け、名目GDPが552.5兆円、実質GDPが533.5兆円まで拡大しました。しかし2020年の新型コロナウイルス感染拡大に伴い、GDPは大きく減少。現在も、先を見通せない状況です。これは日本に限らず、すべての国にいえることです。

今は新型コロナウイルスが終息した時に備えて、GDPの推移と動向を注視し、経済がどのように変化していくかチェックしておきましょう。

※当記事は2017年3月時点の税制・関係法令などに基づき記載しております。今後、税務の取扱いなどが変わる場合もございますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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執筆: 株式会社ZUU