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確定拠出年金の基礎知識 / 一括(一時金)でiDeCoを受け取る際の留意点 ~ ゼロからわかる!iDeCoの受取方法③

一括(一時金)でiDeCoを受け取る際の留意点 ~ ゼロからわかる!iDeCoの受取方法③

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(写真=Africa Studio/Shutterstock.com)

個人型確定拠出年金(iDeCo)で積み立てた年金資産を一括(一時金)で受け取ると、場合によっては税金や手数料を抑えることができる。そのため、受取額を少しでも増やすために一括で受け取るべきと考えがちだが、単に一括で受け取ればいいというわけではない。受取時の税金やその後の資産管理のことを考えたうえで、受け取るタイミングを判断すべきである。

一括(一時金)で受け取る際のメリット

iDeCoで積み立てた年金資産を一括(一時金)で受け取るメリットは、税金や手数料を抑えることができる点にある。分割で受け取る期間中にかかる口座管理手数料が不要であり、受け取るたびに振込の都度かかる給付手数料が一回しかかからないため、分割と比較して低コストで年金資産を受け取ることができるのだ。

一括(一時金)受け取りのもう一つのメリットは、「退職所得控除」を利用できる点である。iDeCoで積み立てた年金資産を一括で受け取る際、全額が課税されるのではなく、勤続年数(iDeCoの場合は掛金を拠出していた期間)に応じて算出した退職所得控除額を差し引くことができる。退職所得控除額は次の計算式で求められるが、さらに、一時金額から退職所得控除額を控除した額に2分の1を乗じた金額が、最終的な「退職所得」の金額となる。

勤続年数(iDeCoの場合は掛金を拠出していた期間)が
・ 20年以下の場合: 退職所得控除額=40万円×勤続年数
・ 20年を超える場合: 退職所得控除額=800万円+70万円×(勤続年数-20年)

例えば勤続年数30年の人の場合は、800万円+70万円×(30年-20年)=1,500万円が退職所得の控除額になるのだ。例えば、iDeCoに毎月1万円ずつ30年拠出した場合、元本は1万円×12ヵ月×30年=360万円となる。運用益について考慮する必要はあるが、この360万円を一括で受け取った場合、退職所得360万円は退職所得控除額1,500万円を大幅に下回るため、全額非課税となる。

さらに、一括(一時金)で受け取ったまとまった金額を、住宅ローンの返済資金として活用することもできる。年金資産を運用し続けた場合の利回りよりも住宅ローンの金利の方が高いのであれば、住宅ローンの返済に充てる方がお得になる場合もある。

一括(一時金)で受け取る際の留意点1「受け取った後の資産管理」

一括(一時金)受け取りの留意点としては、受取後は自分で資産を管理する必要がある点が挙げられる。すぐに使う予定がない場合は、受け取った資金を貯蓄や運用にまわすことになるが、その場合は、運用益に税金がかかる点を認識しておきたい。iDeCoの商品ラインナップには無かった金融商品にも投資することは可能だが、税金がかかってしまうことによる利回りの低下を考慮しておく必要がある。

また、投資信託の場合、信託報酬もiDeCoの商品ラインナップの投資信託ほどに有利な条件ではないかもしれない。運用成果によっては、iDeCoで運用を続けていた方がよかったということにもなりかねないため、注意したいところだ。

一括(一時金)で受け取る際の留意点2「退職金との兼ね合いに注意」

一括(一時金)で受け取る場合に、もう一つ気をつけておきたいのが「退職金」との関係である。

前述の通り、iDeCoで積み立てた年金資産を一括(一時金)で受け取る場合、退職所得として退職所得控除が適用される。

しかし、iDeCoからの一時金と会社からの退職金を同時に受け取った場合、それぞれで退職所得控除額を計算するのではなく、双方を合計した受取額から、双方の勤続年数(重複期間分は除く)を元に計算した退職所得控除額を差し引くことにより課税所得をまとめて算出する。

そのため、iDeCoとは別に多額の退職金を受け取ることができる場合は、退職所得控除の上限を超えてしまう可能性がある。

一括(一時金)で受け取る場合には、税制メリットを最大限利用する

以上のように、iDeCoで積み立てた年金資産を一括(一時金)で受け取ると、税金や手数料などのコストを抑えることができる一方で、退職金を受け取るタイミング次第では逆に税負担が増加してしまう可能性もある。そのため、しっかりと確認した上で、受け取り方法やタイミングを決定したい。

※当記事は2017年7月現在の税制・関係法令などに基づき記載しております。今後、税務の取扱いなどが変わる場合もございますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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執筆: 株式会社ZUU
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