2017年1月から、ほぼすべての人が加入できるようになった「個人型確定拠出年金(iDeCo)」。
自分自身で資産を運用することのできる制度で、上手く運用すれば元本よりも資産を大きくすることもできます。
iDeCo(イデコ)の運用を始めるうえでは、
「まず、どの運用商品にすればよいのか」
を決めることになります。
というわけで今回は、iDeCo(イデコ)で選ぶことができる運用商品について、種類ごとに分けて解説していきます。
大きく分けると2種類
iDeCo(イデコ)の運用商品は、大きく分けると「元本確保型商品」と「それ以外の商品(元本変動型など)」に分かれます。
元本確保型商品
元本確保型商品は、原則として元本割れのない低リスク型の運用商品です。
具体的には「定期預金」や「年金保険」のように、一定額を預け続ける形になります。
なるべくリスクを避けたい人にはオススメですが、ただし、低金利の状況では資産が大きく増えることは期待できず、インフレなどで貨幣価値が低くなっているときには不利になります。
それ以外の商品(元本変動型など)
対してそれ以外の商品(元本変動型商品など)は、元本が変動するタイプの運用商品です。具体的には「投資信託」などになります。
積み立てた資産が増減するので多少リスクはありますが、運用次第で資産を大きく増やせる商品です。
それ以外の商品には、種類がたくさんある
一口に「投資信託」といっても、さまざまな種類があります。
iDeCo(イデコ)のサービスを提供する金融機関によって、取り扱いのある運用商品は異なりますが、法律上で最低3種類のラインアップを用意することが義務付けられています。
ここでは、6つの大まかな種類に分けて特徴をご紹介します。
日本債券
国や企業の活動資金を借りるために発行されている証券で、具体的には「国債」「地方債」「社債」などの債券に投資する投資信託になります。
簡単にいえば、「国・地方・企業などが、お金を借りるために発行する借用証書」のようなものです。これにより国や企業側は資金を借り入れることができ、投資家は債券を所持することで一定の利益を受け取ることができます。
国内債券は、為替変動リスクのある外国債券と比べてリスクが小さく、元本確保型商品よりはリターンが期待できるのが特徴です。
日本株式
主に国内の株式に投資する投資信託で、企業の業績によって値動きすることが多いです。
債券よりも高いリターンを得たい方は、日本株式型の投資信託をご検討ください。
海外と比べれば、東証株価指数(TOPIX)などで値動きを把握しやすいでしょう。
外国債券
日本債券と仕組みは同じですが、中には利率が高いものも存在し、日本債券よりもある程度高いリターンが期待できる場合もあります。
ただし、利率が高い債券はその分リスクも高く、国外であるため為替変動リスクもあります。国や地域、取引の行われる通貨の情勢を完璧に把握することも難しいため、日本債券に比べてリスクは高いといえるでしょう。
外国株式
外国の株式に投資する投資信託で、外国債券と同じく為替変動リスク、情勢が把握しにくいリスクがあります。
債券、国内株式と比べてハイリスク、ハイリターンの運用商品になります。
国内リート(J-REIT)
リート(REIT)とは、「不動産投資信託」とよばれるものです。
国内リートは、投資家から集めた資金をもとに国内の不動産を購入し、そこから得た賃貸収入や売買益を投資家に分配するしくみの運用商品のことです。
賃貸収入は安定しているケースが多いので、株などに比べると安定して収益を得やすいのが特徴です。
また、一般の不動産投資では多額の資金が必要となりますが、リートなら少額投資ができるメリットがあります。
ただし、不動産市況の影響をうけたり、空室リスクや災害リスク(地震や火災など)もあります。
海外REIT
国内リート(J-REIT)と同じ仕組みで、海外不動産を投資対象とする投資信託です。
国内リート(J-REIT)と同じく、株式などと比べれば安定的なリターンが期待できるメリットがあります。
ただし、海外各国の仕組みや情勢はなかなか正確に把握がしにくく、為替変動リスクもあるため、国内リート(J-REIT)と比べれば値動きリスクは高めの運用商品といえるでしょう。
プロに分散投資してもらえる「バランス型」
このように、一口に「投資信託」といっても様々です。商品特性やリスク、得られるリターンもそれぞれ異なるので、自分の運用方針に合った商品選びが重要となります。
しかし中には、忙しくて手間をかける時間がない方、まだ運用を始めたばかりで理解が進んでいない方など、運用商品選びが難しいもあるでしょう。
そんな方は「バランス型投資信託」を検討するのも1つの手です。手数料は多少高いですが、自動的にバランスよく各運用商品に分散投資をしてもらえる商品なので、忙しい方やまだ始めたばかりでよくわからない方には相性が良いかもしれません。
いま確定拠出年金に加入している方はもちろん、加入しようか迷っている方は是非、iDeCo(イデコ)の運用商品を一通り理解したうえで、自分に合った資産運用の方法を考えてみてはいかがでしょうか。
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