
「もしも、勤めている会社が倒産したら…」と考えたことはありますか?
そうなった場合、今後の収入が心配になるのはもちろんのこと、長く勤めている方は特に「退職金」が支払われるのかどうかは重要な問題ですよね。
そのため今回は、退職金や倒産に関するリスクを説明していきます。また、万が一の場合も安心できるようなオススメの資産形成制度も合わせて紹介していきたいと思います。
倒産したら、退職金はどうなるの?
結論から言うと、退職金は一定額であれば民法によって保護されます。
「退職手当の請求権」といって、会社が破産した場合でも、退職前3ヶ月間の給料に相当する額であれば、退職手当として支払いを受けることが法律上可能です。
ただし、あくまで一定額の保護なので、定年まで働いて本来貰えるはずの退職金と比べると、金額は目減りしてしまいます。
また、いわゆる「夜逃げ」などで支払者が行方不明になってしまった場合、退職金は踏み倒されてしまうことも…。
このように、退職金には金額の目減りや踏み倒しのリスクがあるのです。
「確定拠出年金」に注目!退職金との違いって?
実は、企業が倒産したとしても、全額受け取ることができる制度があるんです。
それが「企業型確定拠出年金(企業型DC)」です。
この制度の特徴を大きく4ポイントに分けて説明します。
① 倒産しても影響を受けない
企業型DCの資産は、企業ではなく従業員の個人口座で管理されます。そのため、仮に会社が倒産したとしても影響を受けることはありません。
② 掛金は企業負担が基本
企業型DCの掛金は、企業が負担します。掛金が従業員の口座に振り込まれた時点で、その権利は従業員に帰属します。
③ 資産運用できる
退職金の場合、企業が独自に資金準備するため、従業員が運用方法に関与することはできません。
これに対し企業型DCは、従業員が自ら資産運用することが可能です。そのため、株や債券などの投資信託、定期預金などの運用商品を自由に選択することができます。
④ 受給方法を選択できる
退職金の受給方法は、一時金で一括払いされるのが一般的です。
企業型DCの場合は、受け取り方が「一括」「分割」「一括と分割の併用」の3通りあり、自由に選択することが可能です。
勤務先に制度がなかった場合はどうすればいい…?
掛金を企業に負担してもらえて、個人口座管理なので倒産リスクも防げる、企業型DCはサラリーマンにとって良いことづくめですね。
まずは、勤務先が企業型DCの制度を導入しているかどうかを確認してみましょう。
もし仮に、勤務先に企業型DCがなかった場合は、個人型確定拠出年金(iDeCo)の利用を検討してみましょう。
iDeCoは「個人型」なので、掛金は自分で負担する必要がありますが、掛金が全額所得控除となり、運用益も非課税になるなど、税制面でのメリットは企業型DCと同様非常に大きいです。
将来の資金形成はもちろん、退職や倒産などに不安を感じる方はぜひ、確定拠出年金制度を活用してみてはいかがでしょうか。
※当記事は2016年9月現在の税制・関係法令などに基づき記載しております。今後、税務の取扱いなどが変わる場合もございますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
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