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iDeCo(イデコ)をやると、ふるさと納税や住宅ローン控除に何か影響はある?

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(写真=Spaskov/Shutterstock.com)

税負担軽減メリットがある制度には、「iDeCo(イデコ)」や「ふるさと納税」「住宅ローン控除」などがあります。iDeCo(イデコ)に加入すると、ふるさと納税の還付・控除限度額に影響はあるのでしょうか? そもそも、これらを併用することはできるのでしょうか?

ふるさと納税とは

ふるさと納税は、希望する自治体に寄附をすると控除上限額内で2,000円を超えた部分について所得税や住民税の還付・控除が受けられるほか、その地方の特産品が返礼品として受け取れる制度です。

給与所得者で年間5つ以内の自治体に寄付する場合、「ワンストップ特例」を利用すれば確定申告は不要になります。確定申告が必要な方や、年間6つ以上の自治体に寄付する方は確定申告が必要です。いずれの方法でも控除される金額は変わりません。

iDeCoとふるさと納税とは併用可能だが、控除上限金額は変動する可能性あり

iDeCo(イデコ)とふるさと納税との関係を見てみましょう。まず、両者は併用することができます。

ふるさと納税の場合、控除上限額の目安は、収入や家族構成などで変わります。給与収入や家族構成、社会保険料控除、医療費控除、住宅借入金等特別控除などの情報を入力することで影響の度合いをチェックできます。詳しくは、ふるさと納税の専用サイトでシミュレーションするとよいでしょう。

iDeCo(イデコ)の掛金は全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象になるため、iDeCo(イデコ)に加入することで、ふるさと納税の控除上限額が少なくなることがあります。

またiDeCo(イデコ)には税負担の軽減効果があるため、所得税が還付されたり住民税が軽減されたりしますが、ふるさと納税はいわゆる「節税」ではありません。

例えばふるさと納税で3万円を寄附した場合、持ち出しはあくまで3万円です。2,000円を超えた分(=2万8,000円)については税金が控除・還付されますが、冷静に考えると「2,000円を寄附して返礼品をもらっているに過ぎない」ともいえます。
※寄附金:3万円(-)、税金還付・控除:2万8,000円(+)、返礼品:(+)

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは

住宅ローン控除は、住宅ローンを利用してマイホームを購入したり、新築したりした場合などに利用できる制度です。

住宅ローン控除では、年末の住宅ローン残高の1%が所得税や住民税から控除できます。控除限度額は、住宅の種類や居住をした年によって異なりますが、例えばローン残高が4,000万円で居住した年が2014年1月から2021年12月の場合、その1%として年間で最大40万円、10年間では最大400万円の税額が軽減できることになります。(特例により、13年目まで控除を受けられる場合があります。)

なお、所得税から控除額を引ききれない場合は、翌年度の住民税からも一部控除されます。2014年1月から2021年12月に居住した場合、住民税からの控除は前年分の所得税の課税総所得金額等の7%(最大13万6,500円)が上限になります。

一般的な家族構成でのふるさと納税上限額は?

iDeCoに加入すると、iDeCoを利用しない場合に比べてふるさと納税の限度額は少なくなります。iDeCoの掛金は「所得控除」の対象で、ふるさと納税した金額は住民税から差引かれる「税額控除」の対象だからです。iDeCoによって課税所得が減り税金が軽減されるので、ふるさと納税で控除・還付できる金額も減ります。

一般的な家庭がiDeCoを利用した場合、ふるさと納税の上限額はどのように変わるのか見てみましょう。

ケース1.独身または共働きでお互い扶養に入っていない夫婦

独身の方や、共働きでどちらも同じぐらいの収入がある夫婦のケースです。なお、ここからのシミュレーションでは、住宅ローン控除や医療費控除など、iDeCo以外の控除は受けないものとします。他の控除がある場合は上限額が変わるので、注意が必要です。社会保険料は年収の15%としています。

表1.独身、または夫婦共働き(扶養家族なし)のふるさと納税上限額

年収 iDeCoの掛金(月額)
未加入 1万2,000円 2万3,000円
300万円 2万8,000円 2万4,000円 2万1,000円
400万円 4万2,000円 3万8,000円 3万5,000円
500万円 6万1,000円 5万7,000円 5万4,000円
600万円 7万7,000円 7万3,000円 7万円
700万円 10万8,000円 10万4,000円 10万円

ケース2.片働きで小さな子どもがいる家族

一方が専業主婦(夫)で、小学生の子どもが1人いる家族です。配偶者が扶養の条件を満たせば配偶者控除が受けられます。

表2.一方が専業主婦(夫)で子ども1人(小学生)の場合のふるさと納税上限額

年収 iDeCoの掛金(月額)
未加入 1万2,000円 2万3,000円
300万円 1万9,000円 1万6,000円 1万3,000円
400万円 3万3,000円 3万円 2万7,000円
500万円 4万9,000円 4万5,000円 4万2,000円
600万円 6万9,000円 6万5,000円 6万2,000円
700万円 8万6,000円 8万2,000円 7万9,000円

ケース3.一方がパートで働き、中高生の子どもがいる場合

片方が扶養親族の条件の範囲内で働き、中学生・高校生の子どもが1人ずついる家族です。配偶者控除と、子どもが高校生であれば扶養控除が受けられます。

表3.一方がパート(扶養)で子どもが2人(中学生と高校生)の場合のふるさと納税上限額

年収 iDeCoの掛金(月額)
未加入 1万2,000円 2万3,000円
400万円 2万5,000円 2万2,000円 1万8,000円
500万円 4万円 3万7,000円 3万4,000円
600万円 6万円 5万7,000円 5万円
700万円 7万8,000円 7万4,000円 7万1,000円
800万円 11万円 10万6,000円 10万2,000円

住宅ローン控除とは併用は可能だが注意は必要

iDeCo(イデコ)と住宅ローン控除も、併用は可能です。

確認しておきたいのが、iDeCo(イデコ)の掛金は全額「所得控除」であるのに対して、住宅ローン控除は「税額控除」である点です。つまり、iDeCo(イデコ)の掛金は課税所得から差し引かれますが、住宅ローン控除の控除額は所得税(あるいは住民税)の税額から直接差し引かれます。そのため、iDeCo(イデコ)に加入することで税額が減ると、住宅ローン控除のメリットを最大限に受けられなくなってしまう可能性があるのです。

だからといって、iDeCo(イデコ)への加入をあきらめるのは早計です。住宅ローン控除の適用を受けて所得税額がゼロになっていたとしても、住民税から控除できる可能性があるからです。この場合、税負担の軽減を目的に住宅ローン控除とiDeCo(イデコ)を併用するメリットは大いにあります。

ふるさと納税を気にしてiDeCoを利用しないのはもったいない!

一般的な家庭のシミュレーションでご紹介したように、iDeCoに毎月2万3,000円を拠出すると、ふるさと納税の限度額は6,000~1万円少なくなります。しかし、それでもiDeCoを利用することで受けられる税制メリット(掛金が全額所得控除)は大きいといえるでしょう。

例えば年収500万円の独身の方であれば、iDeCoに毎月2万3,000円拠出することによって、所得税と住民税を合わせて約5万5,000円の税金が軽減されます。税金が軽減されるということは、手取りが増えるということです。ふるさと納税の限度額は7,000円下がりますが、iDeCoの所得控除によるメリットのほうがはるかに大きいことがわかるでしょう。

「ふるさと納税の限度額は下がるが、そんなことを気にせずにiDeCoを始めたほうがメリットは大きい」というのが結論です。順番としては、まずiDeCoを始めてみて、ふるさと納税の限度額の数千円の減少に気をつけながら、その範囲内でふるさと納税を行うとよいでしょう。

ふるさと納税と住宅ローン控除の関係は?

それでは、ふるさと納税と住宅ローン控除は併用できるのでしょうか。結論を言うと、併用は可能です。こちらも、ふるさと納税の専用サイトでシミュレーションができます。

ふるさと納税、住宅ローン控除、そしてiDeCo(イデコ)の節税額シミュレーションを比較して、自分にとって最適なバランスを探してみてはいかがでしょうか。

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※当記事は2020年11月現在の税制・関係法令などに基づき記載しております。今後、税務の取扱いなどが変わる場合もございますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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執筆: 株式会社ZUU