個人型確定拠出年金(iDeCo)に関する情報をお届けするサイトです

メニュー
確定拠出年金の基礎知識 / いざというときに知っておきたい iDeCo(イデコ)の掛金額の変更・停止について

いざというときに知っておきたい iDeCo(イデコ)の掛金額の変更・停止について

talk
(写真=Roman Samborskyi/Shutterstock.com)

毎月一定額を拠出していくのが個人型確定拠出年金(iDeCo(イデコ))だが、毎月という継続性ゆえに、経済状態によっては掛金の拠出が困難となる事態も考えられる。経済的に困窮した場合、iDeCoを解約したり、または掛金拠出を中断したりすることは可能なのだろうか。そして、その際にはどのような手続きが必要なのだろうか。ここでは、iDeCoの掛金額の変更・停止の方法についてお伝えする。

そもそもiDeCo(イデコ)を解約することはできるのか

iDeCo(イデコ)は、自分で拠出した掛金を自分で資産運用し、自助努力で老後に備える制度である。拠出時、運用時、受取時すべての局面で税制優遇措置があることや、運用商品を自分で選択・決定することができるのが大きな特徴だ。iDeCo(イデコ)は、老後資産形成のための年金制度という性質上、原則として60歳以降でなければ給付を受け取ることはできない。

しかし、長い人生の途中において、経済状況が思わしくなくなった場合や、急に多額の出費が必要になったなどの理由で、途中解約したくなる状況が訪れないとは決して言い切れない。結論からいうと、iDeCo(イデコ)は、原則として途中で脱退・解約することはできない。例外的に、東日本大震災の被災者については特別な措置がとられた。

ただ、そのような特別な事情がない限りは、途中で解約して資産を引き出すことは、基本的には不可能である。ただし、以下1~5の要件をすべて満たす場合は、脱退一時金を受給してiDeCo(イデコ)から脱退することができる。

1. 国民年金保険料の免除者であること
2. 障害給付金の受給権者でないこと
3. 通算拠出期間が1ヵ月以上3年以下であること、または年金資産額が25万円以下であること
4. 最後に企業型確定拠出年金(企業型DC)加入者またはiDeCo(イデコ)加入者の資格を喪失した日から起算して2年を経過していないこと
5. 企業型DCの加入者資格を喪失したとき、脱退一時金の支給を受けていないこと

iDeCo(イデコ)の掛金額を変更あるいは拠出を停止したいときは

前述の通り、iDeCo(イデコ)の脱退・解約は原則できない。しかし、経済的に困窮する事態に陥った場合は、掛金額を減額したり、掛金の拠出をいったん停止したりすることは可能だ。iDeCo(イデコ)の掛金額は、最低毎月5,000円から、1,000円単位で設定することが可能だ。掛金額を高めに設定していたのであれば、自身が拠出可能な水準まで掛金額を引き下げる方法もある。

掛金額の変更は「加入者掛金額変更届」(様式K-009A~C号)を提出することで、年1回(12月から翌年11月までの間)変更することができる。

また、掛金の拠出を一時的に停止することもできる。その場合は、加入している運営管理機関(金融機関)から「加入者資格喪失届」(様式K-015号)を取り寄せ、必要事項を記入・提出する必要がある。掛金を停止するとは、言い換えると、加入者から「運用指図者」に種別を変更するということである。運用指図者とは、すでに積み立てられている資産の運用指図のみを行う者のことだ。

このように、手続き完了まで通常1~2ヵ月かかるものの、掛金額を変更したり、掛金の拠出を停止したり再開したりすることはいつでも可能だ。

ただし、iDeCo(イデコ)では、掛金を停止した場合であっても手数料を負担しなければならない点は注意が必要だ。運用指図者の場合は、事務委託先金融機関への手数料と、運営管理機関への手数料を支払わなければならない。手数料は、積み立てた年金資産から引かれていくので、そのぶん資産が目減りすることになる。

2018年1月から年払い(年単位拠出)も可能に

2018年1月から、掛金の拠出を1年単位で考え、加入者が年1回以上、任意に決めた月にまとめて拠出することが可能になった。これを「年単位拠出」という。年間の拠出限度額までなら、1~12回の間で自由に拠出のスケジュールを設定できるようになったので、毎月同じ金額を拠出することが難しい人は検討してはいかがだろうか。

年単位拠出の考え方

年単位拠出では、12月分から翌年11月分までの掛金(実際の納付月は1~12月)の拠出期間を1年とし、この1年を単位(拠出単位期間)として考える。この1年(12ヵ月)を、加入者が任意に区分して年間の拠出月を設定することも可能だ(拠出区分期間)。年1回にまとめて拠出することも可能だが、11月分(実際の納付額は12月)の掛金を含む拠出区分期間は必ず設定しなければならない。

拠出限度額は、経過した月の分が積み上がる。例えば、拠出限度額が6万8,000円の人が前年12月分から当年4月分まで拠出していない場合、5月分(実際の納付額は6月)の拠出限度額は6万8,000円×6ヵ月=40万8,000円となる。限度額の範囲であれば、月によって掛金を1,000円単位で増減させることも可能だ。掛金を決めたら、加入している運営管理機関(金融機関)へ「加入者月別掛金額登録・変更届」(様式K-030号)を提出する。

注意点は、
1. 毎月拠出する掛金や拠出回数の変更は、年1回までである
2. 月額5,000円の下限額は残る。例えば、半年間納付を休止し6月に初めて拠出する場合は、それまでの下限額5,000円×6ヵ月=3万円は最低でも拠出する必要がある
3. あくまでも「経過払い」(後払い)となる。例えば1月にまとめて1年分を支払うということはできない。6月に支払うのであれば6ヵ月分の上限金額の合計までしか拠出できない
4. 1年間で限度額まで拠出しなかったとしても、翌年に繰り越すことはできない

年単位拠出のメリット、デメリット

年単位拠出のメリットは、拠出のタイミングを自由に設定できることだ。
人にはそれぞれに生活のリズムというものがある。とくに、夏と冬のボーナスが1年間の収支プランの要になっている人も多いことだろう。その中で毎月決まった金額を拠出するというのは、想像以上に大変なものだ。しかし、年単位で拠出できるのであれば、例えば、「隔月納付」や「夏と冬のボーナス時期のみ拠出」、および「年末に一括納付」といった、自分のタイミングにあった拠出が可能である。そのため、生活設計の中でのやりくりがしやすくなるだろう。

一方、年単位拠出のデメリットは、下記の2つだ。

1. 相場の影響を受けやすい
投資信託など値動きのある運用商品を選択した場合、月払いであれば自動的に毎月同じ金額で投資できるため、価格が安いときには多く、高いときには少なく買い付けることができる。その結果、購入価格を平準化できる「ドルコスト平均法」の効果が得られる。しかし、一括拠出の場合は、拠出する時点の相場の影響を受けてしまう。

2. 運用期間が短くなり、投資効果が下がる
iDeCo(イデコ)の年単位拠出は前払いができないため、運用できる期間が最大で11ヵ月違ってしまう。iDeCo(イデコ)の特徴の一つに所得控除などの税制メリットが挙げられるが、非課税運用としての利点を考えると、なるべく早い時期から開始した方が投資効果を見込むことができる。

年単位拠出が向いている人は

年単位拠出は、向いている人と向いていない人がいる。例えば、預金など元本確保型商品に拠出するのであれば、拠出回数を年1回にして、国民年金基金連合会にかかる手数料を抑えることができる。一方、投資信託など運用商品に拠出する場合は、今まで通り「月払い」の方が向いている。また、自営業など毎月の収入が不安定な人は、運用商品にかかわらず、「年単位拠出」の方が向いている。収入を年単位で予測し、それに合わせた無理のない拠出額を設定しよう。

中途解約は原則不可

iDeCo(イデコ)は途中で脱退・解約することは基本的に不可能だが、掛金額を変更したり、掛金の拠出を一時的に停止することが可能である。また、年単位で拠出額を自由に設定することも可能になった。そのため、加入の是非だけでなく、毎月いくら拠出できるかについて、きちんとライフプランを想定したうえで判断することが重要だ。ともあれ、iDeCo(イデコ)の特徴をよく理解して、無理のない範囲で掛金額を設定することが賢明である。

>> 月々5,000円から!アナタに合わせた「確定拠出年金」を詳しく知る

【オススメ記事】
iDeCo(イデコ)は60歳まで解約したりお金を引き出せない?
iDeCo(イデコ)を利用したら会社員でも確定申告が必要?
iDeCoの落とし穴!?運用益非課税の影に潜む「特別法人税」
iDeCo(イデコ)の資産を受け取る時、どんな控除が利用できる?
企業型DCの資産は、転職したらiDeCo(イデコ)に移換できるの?

執筆: 株式会社ZUU
確定拠出年金の基礎知識 / いざというときに知っておきたい iDeCo(イデコ)の掛金額の変更・停止について