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資産運用をする前に整理しておきたい「固定支出」

(写真=Carla Nichiata/Shutterstock.com)

資産を形成するためには、投資や資産運用をはじめなければならないと思っている人は多い。しかし、これまで家計のことを何も考えてこなかった人にとっては、投資よりも「ムダな支出」を削ったほうが効率的な場合もある。今回は、資産運用を本格的にはじめる前に見直しておきたいムダな支出を紹介する。

固定支出を削減するメリットとは

「固定支出」とは、家賃や車のローンなど、毎月費用が決まってかかるいわゆる固定費だけではなく、月々で金額は変動するものの、毎月必ずかかる費用も含めた、幅広い意味での支出のことである。資産を形成しようと思った場合、資産運用をはじめる前に固定支出を見直したうえで必要とあらば削減するのが正しい順番である。その理由は2つある。

まず、資産運用で資産を増やすより、支出を削減する方が簡単だからだ。例えば、資産運用で100万円を1年で110万円にするにためには、年率10%の利回りを稼ぐ必要があるが、それなりの投資知識と経験がなければ達成は難しい。これに対し、1年で10万円つまり1ヵ月8,300円強の削減なら対応できる家庭は多い。

2つめは、無駄な支出を減らして元手を増やせば増やすほど、投資効果が高くなることである。先ほどの例だと、元手が400万円に増えてから資産運用をはじめれば、同じ10万円の利益を得るのに年率2.5%の運用実績を出せばいいことになる。

率先して見直したい固定支出はこれ

まず、月々の支出の割合が高く、ムダにしている金額も大きい固定支出を紹介する。これらは加入当時の契約のままになっていたり、よく検討しないまま購入してそのままになっていたりすることが多い。そのため、見直すと大きな額をムダに払い続けていたと自覚できることが多いうえ、一度手続きをするとその後も継続的に支出を削減することができる。

・ スマホ・携帯代
ムダな固定支出の第1位は、なんといっても携帯電話やスマートフォンの料金である。必要以上に高機能なスマホを使っていたり、何のサービスかわからないオプションを大量につけていたりする人は多い。料金プランやムダなオプションの見直しなど、一度携帯ショップに行って確認してみると良いだろう。

また、最近では、格安SIMなどの性能も向上している。最新機種が選べないなどのデメリットはあるが、特に流行を追うのでなければ、このような格安スマホを使うのも検討してみよう。

・ プロバイダ料金
インターネットを使うために必要なプロバイダ契約だが、パソコンを購入するときに勧められるがまま加入し、そのあとに特に見直していないということはないだろうか。プロバイダ料金は毎月数千円かかるものなので、見直せば長期的には大きな費用削減になる。

現在使用している携帯電話やスマホのキャリアとプロバイダを併せて契約すると、割引が受けられるものがないか確認してみよう。また、家では簡単なメールのやりとりやネットサーフィンしかしないのであれば、高速なプランが本当に必要なのかも考えてみよう。

・ 生命保険料
生命保険料は「住宅の次に高い買い物」といわれている。公益財団法人生命保険文化センターが発表した「平成27年度生命保険に関する全国実態調査」では、1世帯が年間に払う保険料は、個人年金保険も含め、平均38万5,000円であった。もし大学卒業時から60歳までの37年間この額を払い続けた場合、生涯保険に支払う金額は1,424万5,000円にも及ぶ。

今加入している生命保険が、知り合いに頼まれたものであったり、そもそも保障内容をよく知らない特約に入っていたりしている場合は、高額な保険料を払っている可能性があるので、積極的に見直そう。

・ 車
公共交通機関が発達している都会で暮らす人にとっては、車は必需品ではなくなってきている。

車の購入と維持費は、想像以上にお金がかかる。仮に25歳で車を購入し、以降10年毎に75歳まで車に乗るとした場合、車両費だけで1,000万円以上かかる。その他、車検が1台につき約12万円×3回、それが5台分なので180万円、自動車税・自動車保険・ガソリン代などを合わせて年間15万円としても、それが50年で750万円になる。

結局、車両費と車検、年間維持費を合わせると、少なく見積もっても1,930万円、これに駐車場の料金などを加えると、マンション価格に匹敵する金額になる。車の用途が、たまに家族で旅行に行ったり、休日にドライブしたりするだけに限定されているなら、その都度レンタカーやカーシェアリングを利用したほうがコストが抑えられる場合が多い。

見落としがちな固定費

日常の生活を送るうえで必要と思っている支出の中でも、実はあまり必要でない、うまく利用できていないものは多い。特に、年齢や環境、職業などの変化によって実はもう不要であったり、ただ単に惰性でお金を払っていたりするものもある。これから紹介する項目は、今の自分に本当に必要なものか、今一度考えてみよう。

・ 新聞
情報を得るという目的のために新聞は優れたソースの一つだが、朝時間がなくてじっくり読めず、帰宅後もテレビ番組欄しか読んでいないということはないだろうか。

スマホやテレビでもニュースは確認できるので、現在新聞を読む時間が取れない人は、解約も考えてみよう。いつか新聞をじっくり読む生活を送りたいと思っていても、その「いつか」はなかなか来ないものだ。

・ ATM手数料
他金融機関の口座への振り込みなどならまだしも、自分の口座からお金を引き落とすのに手数料を払うことは、極力避けたいものだ。手数料がかからない口座を探してみたり、コンビニのATMなどを利用している場合は最寄りの支店を使ったりして、できるだけ手数料を払わないようにしよう。

また、お金がなくなったら引き落とすという行為を繰り返している人の場合は、例えばお金の引出しを第2金曜と第4金曜という風に決めておくと、手数料を払う回数を減らせるし、2週間で使える予算の残高も見えやすくなる。

・ 雑誌や漫画
定期的に発行されているスポーツ雑誌、漫画や週刊誌などで、今はあまり読んでいないものはないだろうか。今はそれほど興味がないのに、これまで買い続けてきたからという理由でなんとなく買い続けているということはないだろうか。

例えば漫画の週刊誌は、本当に読みたい作品が2つか3つの場合、コミックで集めたほうが安く済む。毎月買っている健康雑誌なども、内容をすべて実践できていないのであれば、定期購読ではなく、自分が興味のある回だけ買うようすると良いだろう。

・ 定期便で届く飲料や食品
必ず買うとわかっている飲料や食品などは、定期便にしておくと便利で割安になる場合があるが、人によっては、あればあるだけ消費してしまうこともある。また、定期便の間隔が短いと、次の配達までに消費しないといけないという、ムダな意識を持ってしまうことも多い。

大した手間でなければ、毎回スーパーなどで買うか、定期便の頻度を減らすなどして調整してみよう。

趣味・娯楽費は大切なものを自分で選ぼう

趣味・娯楽費は人生の満足度を上げるうえで非常に重要な要素だが、その分、ムダにお金を使ってしまいがちな項目でもある。特に、ほとんど利用していないサービスの中には、月会費や年会費がかかるものもある。時間ができたら利用するからと考えていても、結局、利用せずに時間が過ぎることが多い。

ただし、ここで注意したいのが、趣味や娯楽をムダなものとして切り詰めないことである。なかには、自分の興味が変わってしまったものもあるだろうし、最初に選んだ趣味に長くこだわる必要もない。大切なのは、自分に不要になったものに対する支出を控え、人生にプラスになるものにお金を集中することである。

・ 自動販売機やコンビニで買う嗜好品
特に必要もないのに自動販売機でジュースを買ってしまったり、用がないのにコンビニに立ち寄ってお菓子や飲み物を買ってしまったりすることはないだろうか。こういう嗜好品は、ムダ遣いと認識しにくいものだが、一日200円しか使わないとしても、毎日使えば月6,000円、年間(365日)だと7万3,000円にもなる。

コンビニや自動販売機は確かに便利だが、それだけムダ遣いをする場にもなりやすい。例えば、水筒に飲み物を入れたり、コンビニの代わりにスーパーを利用したりするなどして、立ち寄る機会を少なくしてみよう。

・ スポーツクラブの月会費
健康に意識が高まるにつれ、スポーツクラブなどに通う人が増えているが、仕事が忙しいため足が遠のいて、月会費だけ払い続けているということはないだろうか。

そのような場合、スポーツクラブ自体が自分に合っていない可能性もあるし、スポーツクラブ自体の雰囲気が好きになれていない可能性もある。だらだらと会員のままでいるより、退会を考えてみよう。体を鍛えるモチベーションが上がったらまた入会すればいいし、自分に合った別の運動方法がいずれ見つかるかもしれない。

・ 料理教室またはその他の習い事
スポーツクラブの月会費と同じで、料理教室やその他の趣味などで、月々の受講が消化できていなかったり、受けなかった授業の振替がたまっている場合などは、自分の興味が変わっている可能性がある。

これらの習い事は月に数万円するものもあるので、本当に必要かどうか考えてみよう。「いつか再開したい」と考えるよりも、いったん退会して、再開したいと実際に思えたときに改めて入会するほうがムダがない。

・ 交際費に計上しているムダな飲み会
仕事をしていくうえで、人脈づくりのための費用は少なからずかかってくるものだが、新たな人間関係を構築するのでもなく、毎回同じメンバーでの飲み会の費用が月に数万円かかっている場合、見直しの対象とすべきである。

これらは客観的に見れば浪費だが、人と会うことで情報収集や人脈づくりに役立つ場合もなくはない。その飲み会が、本当に仕事の能力の向上や新しいビジネスチャンスの機会を運んでくるものかどうかを考え、ゼロにしないまでも適正な金額に収まるように調整しよう。

固定支出を見直しは徐々にでも

資産運用というと、株式や投資信託などで早く資産を増やしたいと思う人もいるかもしれないが、その前に、固定支出を見直すことで貯蓄を増やすことができるし、その後、投資の元金が増えてからのほうが資産運用の効果が高くなる場合が多い。

ただし、一度にすべてを削減すると生活が窮屈になってしまう。あくまでムダになっているものを見極め、今自分が必要なものと将来のための投資に集中させることが大切である。

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執筆: 株式会社ZUU
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