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「老後難民」にならないために ~ 老後資金はいくらあれば足りるのか

(写真=HelloRF Zcool/Shutterstock.com)

マクロ経済スライドの発動により、将来の公的年金の目減りが懸念されている現在、老後に不安を抱えている人は多い。日本FP協会が平成28年度に行った調査によると、老後の生活資金について「不安に思う」「どちらかと言えば不安に思う」と回答した人が81.3%となっており、多くの人が不安を感じていることがわかる。では、老後の生活資金は、実際どれくらい必要なのだろうか。厚生労働省が2018年7月に発表した簡易生命表によると、日本人の平均寿命は男性81.09歳、女性87.26歳である。そこで本稿では、65歳から90歳まで(25年間)を老後期間と想定して、老後の生活資金について確認していくことにする。

老後資金の全体像

総務省の家計調査(家計収支編)によると、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上・妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の2017年の消費支出の平均は約24万円(23万5,477円)、年間では約288万円となる。65歳から90歳までの25年間では、約7,200万円となる。この「消費支出」には、食費や住居費、水道光熱費、医療・介護費、被服費などが含まれる。中でも、「住居費」と「医療・介護費」は、状況によって大きく変わってくる。この2つについて、もう少し詳しく見ていこう。

その1 「住居費」は持ち家か賃貸かで大きく変わる

賃貸の場合、毎月の家賃を10万円と仮定すると年間120万円となる。その他に更新料(2年ごとに2ヵ月分と仮定)を加算すると、総計で3,240万円(120万円×25年+10万円×2ヵ月×12回)となる。

戸建ての持ち家の場合は、退職までに住宅ローンを払い終えていると仮定する。そのほかに掛かってくる主な費用は、固定資産税、都市計画税、家屋の修繕費用(リフォーム代)だ。固定資産税、都市計画税を土地・建物合わせて年間15万円とし、修繕費用を10年ごとに300万円(25年のうち2回)とすると、総計で975万円(15万円×25年+300万円×2回)となる。

分譲マンションの場合は、固定資産税、都市計画税のほかに管理費、修繕積立金がかかる。固定資産税、都市計画税を年間10万円、管理費、修繕積立金を月3万円とすると、総計で1,150万円(10万円×25年+3万円×12ヵ月×25年)となる。

その2 「医療・介護費」も大きな変動要因

高齢になると、どうしても医療費が増える傾向にある。厚生労働省発表の平成27年度の医療費概要によると、65歳以上の一人あたりの年間医療費は74万1,900円となっている。ただし、これは医療機関でかかる費用であり、患者が実際に負担する額ではない。

75歳未満であれば、健康保険または国民年金保険に加入しており、最大で3割負担となる。これらの保険は最長で74歳まで加入することが出来る。例えば、74歳まで加入し、最大負担割合である3割で試算すると、約200万円(74万円×3割×9年)となる。75歳以上になると「後期高齢者医療制度」という別の制度に移行する。この制度でも、負担割合は最大で3割となる。75歳から90歳までは、約355万円(74万円×3割×16年)となる。

また、後期高齢者医療制度とは別に「高額療養費制度」という制度があり、月ごとに一定以上の医療費はかからない仕組みになっている。公的保険によって3割または1割負担になった後、実際に支払った金額から自己負担限度額を超える金額は、後で還付されるのだ。この限度額は所得額によって決まり、その上、高齢者になればより上限は低くなる。例えば70歳以上の「一般」区分の場合、入院したとしても4万4,400円が上限のため、これ以上の医療費はかからないことを知っておきたい。

介護が必要になった場合、介護費用にも注意したい。介護費用にはさまざまな種類があり、ヘルパーの人件費や施設利用費用、住宅改修費用なども発生する。これらの費用は、条件を満たせば介護保険費用から給付を受けることができる。しかし、給付金額には上限もあり、超えた部分は自己負担となるため確認が必要だ。

多くの方が、老後は悠々自適に暮らすことを想定しているのではないだろうか。しかし、介護が必要になるおそれは誰にでも生じ、しかもその可能性はけっして低くはない。

公益財団法人生命保険文化センターが2018年に公表した「生命保険に関する全国実態調査(平成30年度)」によれば、介護費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)は毎月7.8万円となっている。これが毎月の負担と考えると、かなり苦しい額だと言わざるを得ない。さらに、住宅改修や介護用ベッドの購入などの一時費用の合計が平均69万円となっている。いざというときの備えをしておくに越したことはないと言えるだろう。

ライフスタイルから老後資金を想定しよう

以上は、あくまでも平均的な金額で計算した結果である。実際の金額に当てはめて考えれば、より現実に近い金額となるので参考にしていただきたい。もちろん、普通に働いていれば公的年金をある程度受給できるため、これらの金額全てを自助努力で賄う必要はない。いずれにせよ、人によってそれぞれのライフスタイルは違うものの、ゆとりある老後を希望するのであれば、より多い老後資金が必要になる。定年後も働くなど、収入を増やす努力もしていきたい。

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執筆: 株式会社ZUU
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