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中小企業のための退職金制度「中小企業退職金共済」とは何か

(写真=g-stockstudio/Shutterstock.com)

企業の多くは退職金(退職一時金)制度を持っている。しかし、それが必ずしもその企業独自の制度とは限らない。独自の退職金制度を持たない中小企業の中には、「中小企業退職金共済」という制度を活用していることがある。本稿では、この中小企業退職金共済について説明する。

中小企業退職金共済とは

退職金制度は、企業にとっても従業員にとっても重要な制度である。企業側にとっては従業員の意欲・生産性の向上や人材の安定確保に、従業員側にとっては退職後の生活資金といったメリットがあるからだ。

中小企業退職金共済制度は、1959年、単独では退職金制度を持つことが難しい中小企業向けに設けられた国の制度である。運営は、独立行政法人勤労者退職金共済機構・中小企業退職金共済事業本部(以下、中退共本部)が行っている。

2018年7月現在、加入している企業は36万8,000社、加入している従業員数は347万人、保有資産額は4.8兆円と、ここ数年増加の一途をたどっている。

中小企業退職金共済では、企業と中退共本部が契約を結ぶところから始まる。毎月の掛金は全額企業が負担し、金融機関を通して納付する。加入できる企業の範囲は、業種によって「常時雇用従業員数」および「資本金・出資金額」などの要件が決まっている。また、原則として従業員は全員加入させることとなっている。

掛金の月額は5,000円から3万円まで16種類あり、従業員の賃金、勤続年数などに応じて企業が選択する。また、パートタイマー(短時間労働者)については、3種類の特例掛金月額(2,000円・3,000円・4,000円)から選択することができる。

企業側の利点としては、掛金に対し国から助成金が受けられることである。また、掛金は法人企業(資本金・出資金が1億円を超える法人を除く)の場合は損金に、個人企業の場合は必要経費にすることができる。

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転職時の中小企業退職金共済

転職をした場合はどうだろうか。転職先の企業で中小企業退職金共済制度、特定業種退職金共済制度、特定退職金共済制度が採用されている場合は、中退共で積み立てたそれまでの掛金を転職先の制度に引継ぐことが可能だ。引継ぐ要件は、退職金の請求をしていないことや、退職してから3年以内に申し出ることなどが挙げられる。
上記の制度が転職先の企業で採用されていない場合は、退職時に退職金が支払われ、そこで中小企業退職金共済の利用は終了となる。

中小企業退職金共済における退職金の額は、掛金額と納付期間によって定められている。納付期間が1年未満の場合、退職金は支給されない。退職金の額は、1年以上2年未満の場合、掛金相当額を下回る。2年から3年6ヵ月で掛金相当額となり、それ以上の期間になると掛金相当額を上回る。長期間加入するほど従業員にとっては有利となるため、転職しても通算できることは利点だ。

中小企業退職金共済の受取方法と税金

退職金は、退職した本人が、中退共本部に直接請求する。退職理由による退職金額の差がない点は、従業員にとって有利なことだ。退職金の受取方法は、原則として退職時に「一時金払い」となる。一定の要件を満たせば、5年間または10年間で受け取る「全額分割払い」、「一部分割払い(併用払い)」を選択することもできる。

「一時金」で受け取る場合は退職所得として扱われ、加入期間に応じた退職所得控除額を差し引くことができる。「分割払い」で受け取る場合は年金(雑所得)として扱われ、年齢および所得額に応じた「公的年金等控除」を差し引くことができる。

転職時に受け取った退職金の多くは、貯蓄され、定年後の生活費に回される。中小企業退職金共済に加入している企業であれば、転職時に通算制度を利用して長く運用した方が退職金の受取額が多くなる。会社がどのような退職金制度を採用しているかを理解して、老後に備えておこう。

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執筆: 株式会社ZUU
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