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特集・お知らせ / 井戸美枝さん短期集中コラム:「定年後40年時代」を安心して迎えるために 【第3回】介護の費用 いくら用意すればいい?

井戸美枝さん短期集中コラム:「定年後40年時代」を安心して迎えるために 【第3回】介護の費用 いくら用意すればいい?

(写真=beeboys/Shutterstock.com)

介護が必要になったときのことを考えておこう

いま、『人生100年時代』というテーマに関心が集まっています。最期を迎える時に医療・介護にかかるお金はいくらなのかという相談が多いです。なぜ、いま医療・介護にかかる費用が不安なのかというと、高齢者の負担が増える改正が続くからでしょう。2016年における平均寿命と健康寿命の差は、男性で8.84年、女性で12.35年でした。健康寿命とは、WHO(世界保健機関)が提唱する「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のこと。つまり、平均寿命と健康寿命に差があるということは、その間は健康上の問題が生じていることになります。
もちろん、大きな病気をせず、介護が必要にならない可能性もありますが、介護が必要になったときのことも考えておきたいものです。

公的な制度なら自己負担額にも上限あり

介護や医療にかかる費用は、全額自分で支払う必要はありません。ご存知の通り、日本では「介護保険」や「健康保険」などの社会保険が整備されています。

介護保険では、65歳以上の人で、「介護や支援の必要がある」と市区町村から認定されれば、自分で支払う金額はかかった費用の1~3割で済みます(※1)。その自己負担額にも上限が設けられており、一定額を超えると払い戻しを受けられる「高額介護サービス費」という制度もあります(※2)。

健康保険にも同様のしくみがあり、70歳以上の人の自己負担割合は1割(現役並みの所得がある人は3割)、1ヶ月ごとの上限額も15000円~57600円に設定されています。なお、現役並みの所得がある人は、上限額が引き上げられます(※3)。
また、病気を治療しながら介護サービスを受ける場合は、医療と介護費用を合算して一定額を超えると超過分が還付される「高額医療・高額介護合算療養費制度」が利用できます。

(※1) 介護保険 サービス利用料の自己負担割合

3割負担の人
(2018年8月から)
夫婦世帯 年間所得が463万円以上ある人
単身世帯 年間所得が340万円以上ある人
2割負担の人 夫婦世帯 年間所得が346万円以上ある人
単身世帯 年間所得が280万円以上ある人
1割負担の人 上記以外の人

(※2) 介護保険 高額介護サービス費(自己負担の上限額)

4万4,000円 所得が現役なみにある人や市民税を課税されている人
2万4,600円 市民税が非課税の人
1万5,000円 年間所得が80万円以下の人

(※3) 高額療養費制度について 厚生労働省 資料

施設ごとに大きく異なる介護費用

このように、社会保険が適用されるサービスを受けるときは、1ヶ月ごとに上限が定められており、ある程度予測することができます。問題は、社会保険が適用されない費用、特に、老人ホームなどの施設に関する費用です。

もし、自宅で介護を受けることが難しい状態になった場合は、介護サービスを提供している施設に入所することになります。
高齢者が入所できる施設には、「公的な施設」と「民間の施設」の2つがあります。公的な介護施設の1つである「特別養護老人ホーム」は、入居時に支払う一時金が不要で、毎月の費用は8〜15万円程度。ただし、入居希望者が多く、「要介護度3」以上であることが入居の要件であったりするなど、なかなか入れないことが多いようです。
一方、民間の「有料老人ホーム」は、公的な施設よりも高額になります。入居時支払う一時金が必要で、毎月の費用が20万円の施設もあり、一時金がない場合は、100万円を超えるなど様々です。都市部に近い施設ほど費用が高く、それに比べると、地方の施設は安い傾向にあります。

どういった介護サービスを受けるか、どの施設に入所するかによって、費用は異なります。いくらかかるかは一概には言えないのですが、2015年に生命保険文化センターが行なった調査によると、1人あたりの介護費用の合計は平均550万円でした(※4)。
この介護費用550万円に医療の負担を加えて、約800万円を用意しておけば、居宅での医療費や介護費のほとんどのケースに対応できるのではないかと私は考えています。

(※4) 生命保険文化センター ウェブサイト

公的年金で介護費用は賄える?

公的年金は65歳から受け取ることができます。受給額は、職業や加入した期間などで人それぞれ異なりますが、国民年金額の平均は5万5,464円、会社員(厚生年金保険受給者)の平均は14万7,927円です(※5)。
夫が会社員と専業主婦の世帯だと、2人分で約22万円。生活費以外の医療介護費用を考えると、公的年金だけでは厳しいことがわかります。

では、介護費用は何歳までに準備すればいいのでしょう。

平成29年高齢社会白書によると、75歳以上で介護保険制度の「要支援」「要介護」と認定された人は、全体の32.1%です。65歳から74歳までの認定者数は4.4%なので、75歳以上になると介護利用者の割合が大きく上昇する傾向にあります。できれば、75歳までに医療・介護の資金を準備しておくと安心といえます。

とはいえ、800万円ものお金を急に貯めるのは、難しいもの。長期にコツコツ積みたてることが、無理なく資金を作る方法です。税制優遇のある「つみたてNISA」や「iDeCo」を上手に利用したいですね。
また、前回お話した公的年金の繰り下げ受給や、65歳以降も働き続けるのもいいでしょう。

(※5) 厚生労働省「平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」

>>【第4回】はこちら

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執筆: 株式会社ZUU
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