個人型確定拠出年金(iDeCo)に関する情報をお届けするサイトです

メニュー
確定拠出年金の基礎知識 / iDeCo(イデコ)の受け取り方で注意したい、「退職金」と「公的年金」との兼ね合い

iDeCo(イデコ)の受け取り方で注意したい、「退職金」と「公的年金」との兼ね合い

(写真=Kzenon/Shutterstock.com)

個人型確定拠出年金(iDeCo(イデコ))は、拠出した掛金は全額所得控除になるほか、運用益も非課税になる。実際にiDeCo(イデコ)に加入・運用している人の中には、この税制優遇のメリットを実感している人も多いのではないだろうか。さらにiDeCo(イデコ)は、60歳以降に資産を受け取る際にも大きな控除が受けられる。受給方法は複数あるが、人によっては、選択の仕方によって税金の額が変わってくる。そこで、今回はiDeCo(イデコ)の受取方法と、その際の税金について解説する。

iDeCo(イデコ)の受け取り方法は3種類

iDeCoの年金資産は、原則として通算加入者等期間が10年以上あれば、60歳から老齢給付金として受け取ることができるが、その受け取り方法は主に3種類ある。

1、 受給権が得られる年齢になった後、70歳までに一時金として一括で受け取る
一時金として一括で受け取る場合、給付金は「退職所得」として所得税の課税対象となるが、「退職所得控除」が適用されるため、通常よりも税負担が軽減される。

2、 5年以上20年以下の有期年金として、分割で受け取る
受給権が発生する年齢になると、5年以上20年以下の期間で、運営管理機関が定める方法で支給される。これは年金形式での受け取りになり、給付金は「雑所得」として所得税の課税所得の対象となる。ただし、この場合は「公的年金等控除」が適用されるため、上記と同様、所得税の税負担は軽減される。

3、 一時金と年金を組み合わせて受給する
一時金と年金を組み合わせて受け取れる人もいる。運営管理機関によっては、受給権が発生する年齢になると、一部の年金資産を一時金で受け取り、残りの年金資産を年金方法で受け取ることもできる。

一時金で受け取る場合に活用できる「退職所得控除」

退職所得控除の考え方は、退職金であれば勤続期間、iDeCo(イデコ)であれば通算拠出期間(掛金を支払った期間)をベースに考える。通算拠出期間が20年以下の場合は通算拠出期間×40万円で計算し、通算拠出期間が20年を超えると1年につき70万円ずつ加算される仕組みで計算される。勤続期間30年、iDeCo(イデコ)への加入期間も30年であれば、「20年×40万円+10年×70万円=1,500万円」までの金額ならば、税金がかからずに受け取れるのである。なお、勤続期間とiDeCo(イデコ)への加入期間が異なる場合には、長い方を選ぶことができる。

2016年末までは、iDeCo(イデコ)は一時金で受け取った方が得とされていた。これは、退職所得控除の控除額が大きいことと、iDeCo(イデコ)を利用できる人が、自営業者および企業年金がない会社員の2者に限定されていたため、退職所得がない、もしくは少ない人が多かったからである。そのため、多くケースでiDeCo(イデコ)の給付金は、退職所得控除の額を大きく超えることはなかった。

しかし、2017年から、iDeCo(イデコ)の加入対象が原則すべての公的年金被保険者に拡大された。例えば、勤続30年の会社員が退職金で1,500万円を受け取り、同年にiDeCo(イデコ)の給付金も受け取ろうとした場合、退職所得控除の枠をはみ出してしまい、課税される可能性が大きくなるのだ。

退職金とiDeCo(イデコ)の給付金を同年に受け取ろうとすると課税されてしまう方でも、退職金とiDeCo(イデコ)の給付金を受け取る年をずらしたり、iDeCo(イデコ)をすべて一時金で受け取らずに一部を年金として受け取るなどの工夫をすることによって、課税額を減らせる可能性があるので、自分の状況をよく確認してから受け取り方法を決めよう。

>>iDeCo(イデコ)の受け取りについて、さらに詳しく知る iDeCoの受け取り、あなたは分割(年金)?それとも一括(一時金)? ~ ゼロからわかる!iDeCoの受取方法①

年金で受け取る場合に活用できる「公的年金等控除」

次に、分割して年金で受け取る場合に受けることができる「公的年金等控除」について見てみよう。雑所得となる公的年金等は、給与所得などで受け取る場合に比べ、税率が軽減されている。例えば、65歳未満の人は、公的年金などを含めた年金収入が年間70万円以下であれば、税金はかからない。65歳以上だと年間120万円以下であれば非課税である。

ここでも、他の年金制度との兼ね合いがポイントになる。公務員や会社員は国民年金に加えて厚生年金保険も支給されるので、一概にどのぐらいの期間に分割して受け取るのがいいかと決めることができない。例えば、公的年金を受給しない60~64歳までの間にiDeCo(イデコ)を分割して受け取るのも一つの方法といえる。また、公的年金の繰り下げ受給の利用を検討するのもいいだろう。

ライフプランに照らして、受給方法の選択を

本来、自営業者や企業年金のない人のための老後資金の形成という目的で始まった個人型確定拠出年金だが、iDeCo(イデコ)と名前を改め、加入対象者が基本的にすべての20歳以上60歳までに拡がった。それによって、退職金や公的年金との兼ね合いによって受給方法を検討する必要が出てきた。特に公務員や会社員の方は、退職金や公的年金の額がいくらなのか、また年金はいつから受け取るのか、何歳まで働く予定なのかなど、よりライフプランに沿った受給方法を選択していただきたい。

>> 月々5,000円から!アナタに合わせた「確定拠出年金」を詳しく知る

【オススメ記事】
iDeCo(イデコ)は60歳まで解約したりお金を引き出せない?
iDeCo(イデコ)を利用したら会社員でも確定申告が必要?
iDeCoの落とし穴!?運用益非課税の影に潜む「特別法人税」
iDeCo(イデコ)の資産を受け取る時、どんな控除が利用できる?
企業型DCの資産は、転職したらiDeCo(イデコ)に移換できるの?

執筆: 株式会社ZUU
確定拠出年金の基礎知識 / iDeCo(イデコ)の受け取り方で注意したい、「退職金」と「公的年金」との兼ね合い