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特集・お知らせ / ジョイントコラム「井出留美さんと”もったいない”を考える」【第3回】学校じゃ教えてくれない!? 食品とiDeCoに関する「教育」

ジョイントコラム「井出留美さんと”もったいない”を考える」【第3回】学校じゃ教えてくれない!? 食品とiDeCoに関する「教育」

(写真=Spectral-Design/Shutterstock.com)

食品ロスとiDeCo(個人型確定拠出年金)。一見関連がなさそうな両者だが、じつは「もったいない」をキーワードとする意外な共通点があるようだ。本コラムでは、食品ロス問題の専門家・井出留美さんとともに、食品ロスとiDeCo双方の「もったいない」について考えてみたい。

井出(iDe)さんの視点

「食育」ってマナーや栄養価のことだけなの?

先日、あるイベントで鶏の唐揚げが販売されました。唐揚げを見て、生きているニワトリのことを思い浮かべる人はいるでしょうか。おそらく、少ないでしょう。私はそのイベントで、かつて参加した青年海外協力隊での訓練の一環で、ニワトリを一羽しめた経験についてお話しました。私たちは、生きているものの命を奪って食べることによって、毎日生きることができています。今の子どもたちには、ニワトリをしめるという経験をした子は殆どいないかもしれません。

「食育」という言葉が使われるときは、栄養バランスのことや生産現場のことが語られることが多いです。平成28年3月に改正された食育基本法に基づく「食育推進基本計画」の中には、「食の循環や環境を意識した食育の推進」として、食品ロス削減の推進も盛り込まれています。

拙著『賞味期限のウソ』(幻冬舎新書)を執筆するにあたり、中学校の家庭科の教科書を複数比較してみました。食べ物の「食べ方」のマナーや「栄養価」については、メディアなどでよくテーマにのぼりますが、「買い方」については、習う機会はあまりないかもしれません。「買い方」については、中学校の家庭科で教えることになっていました。例えば、東京書籍の教科書では、きゅうりの買い方について「次の商品を選ぶとき、あなたならどれを選びますか」という次のような問題が掲載されていました。

A: 価格1本80円、○○県産(遠い地域)、まっすぐな形
B: 価格1本60円、地元産(住んでいる地域でとれたもの)、まっすぐな形
C: 価格3本160円、地元産、曲がっている

あなたが子どもに教える立場だったら、どれを勧めるでしょうか。

「食育」は消費者のリテラシーを高める

東日本大震災の後、「エシカル消費」という言葉をよく耳にしました。エシカル(ethical)とは、「倫理的な」という意味です。同じお金を払うのなら、社会にとって良い商品やサービスを選ぶという消費の仕方です。「買い物は投票」という言葉も聞かれます。この言葉は、開隆堂の中学校の技術・家庭の教科書に載っています。

「買う」行為は、消費者側から見た行為です。これを販売者側から見ると、「売る」「売れる」となります。販売者は、売るため、売れるために、様々な戦略を立てて販売促進を実施します。1個買うより2個まとめて買った方が安くなる売り方。「数量限定」と謳って購買意欲を煽る売り方。買う側は、その商品やサービスの裏に何が隠されているかを読み取る必要があります。これは「リテラシー」(literacy)とも呼ばれます。

日本人が「メディアリテラシー」が弱いと言われる理由は、マスメディアの流す情報は100%事実ではないにも関わらず、そのまま鵜呑みにする傾向があるからです。メディアの情報の受け手である私たちは、情報の流し手が何を考え、なぜこの時期に流しているのか、裏まで読み取る力が必要です。メディアで報道される内容は、各社のフィルターを通ってきている(=事実そのものではない)ことを踏まえる必要があります。そうでないと、情報の波に翻弄されます。きちんとした知識がないと、思わぬところで損をしてしまうかもしれません。

iDeCo(イデコ)の視点

iDeCoに関する「教育」とは

俗に「読み書き算盤(そろばん)」と言われるように、人と人のコミュニケーションにとって必要な能力は、小さいときから教育を受ける機会があります。しかしながら、大人になって毎日使用している「お金」についてはどうでしょうか? 最近は金融教育を取り入れている教育現場も一部にあるようですが、ほとんどの日本人は、学校で「お金」のことは習ったことがないというのが実感ではないかと思います。「お金」に関する教育の切り口には様々な意見がありますが、本稿では、iDeCoを軸にお金に関する必要な「教育」について整理してみましょう。

iDeCoに関する「教育」は四層になっていると言われており、各層の概要は以下のようになっています。各層の内容を見ると、普段から身近にあるものもあり、内容自体はさほど難しくはありません。

  分野 概要
第1層 社会保障 iDeCoという制度自体を知る
第2層 身の回りの税制 iDeCoという制度のメリットを理解できる
第3層 お金の管理 iDeCoという制度を利用するための積立金の捻出に関する技術
第4層 資産形成 iDeCoという制度の中で、インフレ等のリスクへの防衛術

iDeCoでの体験を通じて学ぶ「殖育」

しかし、平均的な日本人にとって、学校で教わらなかったことは、「知らないこと」として認識されます。大人になってから新しいことを学ぼうとしても、「知らないこと」を認める心のハードルがあるため、素直に学べないのが実情です。確定拠出年金の世界では「投資教育」の必要性が喧伝されており、厚生労働省や企業年金連合会などが通知やガイドライン等で投資教育の内容を規定しているものの、基本的には「座学」にならざるを得ません。

そこで見習いたいのが、まったく違う分野での取り組みです。上記の井出留美さんが取り組んでいる食育の分野では、「座学」から入るのではなく、「体験」を通じて学ぶ仕組みが取り入れられています。これは、iDeCoの分野でも有効なのではないでしょうか。いくら知識だけを身に付けても、実際にやってみないと上達しないのは、自転車や水泳の例を持ち出すまでもありません。iDeCoに実際に加入して、掛金だけでなく実体験を積みながら自ら習得することで、自分のこととして学ぶことが初めて可能となります。食育ならぬ「殖育(しょくいく)」もあると思います。

iDeCoに加入するメリットを頭では理解していても、「投資や資産運用の知識がまだないから、勉強してから加入したい」という方が一定数います。しかし、資産運用の勉強のため仮にiDeCoへの加入が半年遅れたとしても、遅れた半年分の税制メリットは二度と取り戻すことはできません。だったら、まずは「加入」を優先し、当初は「定期預金」などの元本確保型商品で積み立てて、ある程度の知識と経験を得てから投資信託に預け替えるなどした方が賢明ではないでしょうか。

iDeCoは、どんな運用商品を購入するかは加入者の自由に委ねられているほか、運用商品の預け替えも随時可能であり、「殖育」には最適な現場であると言えます。スタートクラブの読者各位も、この文章を読んだ「今の数分」を無駄にしないため、最初の一歩となる「加入」+「定期預金積立」からiDeCoを実践してみてはいかがでしょうか?

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執筆: 株式会社ZUU
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