
老後のための資産形成の制度として注目を浴びるiDeCoですが、自分で資産運用をしなければならないため、投資経験が少ない人はどんな商品を選べばいいのか迷うかしれません。iDeCoの対象商品はいくつかのグループに分けられますが、ここでは比較のポイントやおすすめの商品の選び方をご紹介します。
iDeCoの金融商品の選び方、投資金額の考え方
全資産におけるiDeCoの資産の割合によってリスクの取り方は変わる
iDeCoの投資金額を決める時は、自分の資産運用に対する考え方や資産全体のバランスを見て決めることが大切です。例えば、今まったく投資経験がない人であれば、iDeCoの掛金もリスクの少ない商品で運用したほうが安心でしょう。すでに、十分な老後資金を準備している人であれば、積極的に運用してさらに豊かな老後生活を目指すことができます。
自分の資産の中でどの程度の割合をリスク資産に回せるかは、その人の「リスク許容度」によって変わります。
自分のリスク許容度を知ろう
自分のリスク許容度は、以下の項目で判断する必要があります。確認してみましょう。
表.リスク許容度を決める要因の目安
リスク許容度 | ||
---|---|---|
高い | 低い | |
将来の年収見込み | 増える見込み | 変わらない、または不安定 |
年齢 | 若い | 高齢 |
投資経験 | 豊富 | 初心者 |
リスクへの考え方 | 積極的にリスクを取りたい | お金は減らしたくない |
iDeCoの金融商品の比較ポイントを知ろう
金融商品の特徴
iDeCoの運用商品は、定期預金や保険商品などの「元本確保商品」と、「投資信託」の2つに分類されます。増えなくてもいいからお金を減らしたくない人は元本確保型商品での運用を、積極的に投資で利益を狙う場合は投資信託での運用をメインに考えることになります。
投資信託には、大きく分けてパッシブファンドとアクティブファンドがあります。パッシブファンドとは日経平均株価やダウ平均株価など、株価指数に連動するように設計された投資信託のことで、アクティブファンドとはその株価指数を上回ることを目標とする投資信託です。
投資信託の特徴は、投資対象によっても変わります。以下の表でそれぞれの特徴を確認しましょう。
投資対象による特徴の違い
株式 | 国内外の株式を投資対象とする。景気動向により価格が大きく変動する。 |
---|---|
債券 | 国内外の債券を投資対象とする。一般的に株式に比べて価格変動は小さいが、デフォルトした場合は元本が棄損する。 |
不動産(REIT) | 国内外の不動産投資信託証券を投資対象とする。不動産市況により価格が大きく変動する。 |
※いずれも、外国株式、外国債券、外国不動産を投資対象とする場合は為替変動の影響を受けます。
手数料(購入手数料、信託報酬)
投資信託の運用には手数料がかかります。特に保有中にかかる信託報酬に注意しましょう。投資信託の将来の利益は予測できませんが、手数料はあらかじめ決まっています。同じ運用成績なら、手数料が低い投資信託のほうが資産を効率的に増やすことができます。
一般的に、アクティブファンドはファンドマネージャーによる運用の手間をかけているため、パッシブファンドよりも手数料が高めに設定されています。
iDeCoで積極運用したい!そんな人へのおすすめの選び方
20~30代の若い人や貯金が多い人など、リスク許容度が高ければ、大きな利益が期待できる株式投資信託を中心に積極的な運用を考えてみましょう。
投資信託は複数の株式や債券に投資していますが、投資先によって国内と海外に分かれます。一般的に、海外の投資信託は値動きが大きいためハイリスクですが、大きなリターンを期待できます。資産を分散するという意味でも、国内と海外の投資信託をバランス良く持つことが大切です。
あらかじめプロが資産配分を決めて投資する「バランス型」という投資信託もあります。分散投資の割合を考えるのが苦手という人は、このような商品もうまく利用しましょう。
表.積極的な運用に向いている商品の例(りそな銀行のiDeCo運用商品)
分類 | 運用商品名 |
---|---|
国内株式 | Smart-i TOPIX インデックス |
外国株式 | Smart-i 先進国株式インデックス |
バランス | Smart-i 8資産バランス 成長型 |
iDeCoで安定運用したい!そんな人におすすめの選び方
受給開始年齢が近づいている方や、大きく増やすことよりも資産を減らさないことに重点を置いている方向けには、元本確保型商品や値動きが少ない先進国債券などがあります。
ただし、iDeCoを利用すると毎月手数料がかかります。このような安定資産ばかりで運用すると、大きな利益を期待できないため、手数料の分だけ資産が目減りしてしまう可能性があるので注意してください。
表.安定的な運用に向いている商品の例(りそな銀行のiDeCo運用商品)
分類 | 運用商品名 |
---|---|
預貯金 | りそな据置定期預金『フリーポケット401k』 |
国内債券 | Smart-i 国内債券インデックス |
外国債券 | Smart-i 先進国債券インデックス(為替ヘッジあり) |
自分に合った商品選びを!
iDeCoの資産をどのように運用するかを決めるには、まず自分が投資に対してどれだけリスクを取れるかというリスク許容度を考えることが大切です。もちろん、リスク許容度はずっと同じではなく、年齢や投資経験、環境によって変わります。自分のリスク許容度を都度確認して、それに見合ったリスクの商品を選び、自分に合った運用を行っていきましょう。
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