
「収入は人より多いはずなのに、家計はカツカツ」という方は少なくありません。特に、子どもがいるご家庭に多いようです。かわいい我が子の教育費は妥協できず、それで家計が破綻寸前というパターンです。そんなTさんの事例を紹介します。
「子どものため」が家計の負担に
Tさん夫妻は、中学1年生の長男と小学校5年生の次男の4人暮らし。Tさんの年収は1,000万円を優に超えていますが、毎月の収支はギリギリ。赤字になることもあり、貯蓄は200万円未満です。
都会暮らしで家賃がかさむ、育ち盛りの男の子がいて食費がかさむということもありますが、最大の支出は2人の息子の学校・塾・習い事を合わせた教育費で、年間300万円近くかけています。
このままいくと「夫婦の老後」が危ない
ご自身も教育熱心な家庭で育ったTさんは、「子どもためにできる限り良い環境を用意してあげたい」と惜しまず出費を重ねてきましたが、このままでは破綻してしまうでしょう。
「赤字になることもあって貯金がなかなか増えない」ということですが、子どもの進路によっては今後学費の捻出が難しくなるかもしれません。2020年から高校や大学の学費負担を軽減する政策が始まり、「実質無償化」などと言われていますが、年収が高い方は対象外です。
お子さんたちの将来の教育費を想像してみましょう。2人とも私立大学に通うことになったら、医学部など学費が高額で6年通う学部を希望したら、進学先が遠方で一人暮らしのための仕送りが必要になったら、海外留学や大学院進学などを希望したら……。奨学金や教育ローンに頼らなければならないかもしれません。
また、教育費だけでカツカツの状況では、Tさん夫妻の老後資金をほとんど準備できないまま定年を迎えてしまう可能性が高いです。
教育費を「聖域」にしない!シビアに見直しを
「子どもの将来のため」と思って教育費をかけ過ぎたことで大学進学資金や老後資金が不足し、子どもが大きくなってから迷惑をかけることになってしまったら、本末転倒です。
子どもと良く話し合って、本当にその習い事が必要なのか、塾などは安価なオンライン講座に置き換えられないかなど、一度頭をまっさらな状態にして、シビアに見直してみましょう。
どうしても教育費が削れないのであれば、その分他の出費を徹底的に抑えるか、妻が働きに出るということも検討すべきです。
目の前の「教育費」ばかりにとらわれない!
目の前のことだけにとらわれず、子どもが進学したら、社会人になったら、自分たちが老後を迎えたら……など、どの時点でも家族の誰もが困らずに済むように、長期的な視点で家計を考えることが大切です。
※当記事は2020年12月時点の税制・関係法令などに基づき記載しております。今後、税務の取扱いなどが変わる場合もございますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
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